① The Lamb Lies Down On Broadway
② A Trick Of The Tail
③ Wind & Wuthering
④ ...And Then There Were Three...
⑤ Duke
ゲイブリエル期ジェネシスのファンとポップ化以降のファンは、かぶらないし、互いに排除するかもだけど、わたし的にいちばんめんどくさいのは、"Wind & Wuthering" がいちばん好き、という人。
あれをジェネシス的と思うかどうかであっちとこっちの線引きが出来る。
上記①~⑤のどこに線引きするか。
「ゲイブリエルがいるかいないか」による①と②の間でも、
「ハケットがいるかいないか」による③と④の間でも、
「プログレであるかないか」による④と⑤の間でもなく、
「ジェネシスであるかないか」による②と③の間だ。
この2枚、メンバーが同じなために、一括りの時期と見られがちなのではないか。
"Wind & Wuthering" は居たたまれない。
キーボードの分厚い和音にどわーっと押し寄せられ包み込まれて、本当に気持ち悪い。
いや、もちろん、キーボードの音の重ね方、重ねて音色を作る緻密と繊細が「管弦楽法」というのに近くて、さすがだなあとは思う。ただのマッスではない。それにしても。
プログレを「類型」で見る時の典型のひとつを、このアルバムが作ってしまった。エイジアの罪に匹敵する。
言い過ぎました。
で、もし、"A Trick Of The Tail" までいっしょくたに見られてるということがあるなら、とんでもないことだ。
このアルバムは、カリスマを失ったぶん、作曲としてはリキ入ってて、じじつ優れてる。ジェネシスのキモである、瑞々しい創意と、厳しい造形が、過去作よりもここで、極まってる。
"Wind & Wuthering" と "...And Then There Were Three..." は同じです。
これに、ある方がリプ下さって「ハケットがこのバンドの最後の砦だった」と仰った。
別のところでも「本来のジェネシスを継承してるのはハケット」みたいな言い方は見掛ける。Genesis Revisited などの保存会活動のせいだろうか?
ジェネシスフォロワーは全無視で差支えない。
「ジェネシス影響下のベスト・バンド」を探求すればするほど、それはジェネシスの「クリエイティヴィティ」を受け継ぐバンドを求めることであって、したがってスタイル的にはジェネシスから遠ざかる、という皮肉を思う。
「後継者」と「フォロワー」は違う。
ハケットの Genesis Revisited は要するに、ジェネシス「フォロワー」のうちでのいちばんのオーソリティ、と捉えるのが、いちばんしっくり来るのではないか。それに需要がある、ということなんだろうけど。
ぶっちゃけ私はハケットについて、ジェネシスへの貢献も大きいけど、人をしてジェネシスを見誤らしむる役割も演じたと思ってる。
dis なうえに、当ブログ中いちばんの長文なのですが、貼っておきます: