香奈『ココロの森』(VHS、TEVN-29038、2002年07月24日)がフルで上がってた!
01:羽虫 - ゴミ箱式 -
森
02:樹液
03:蛇苺
羽虫 - 軟骨式 -
04:血まめ
羽虫 - 天竜式 -
05:空中舞乱孤
釘
06:桃 - 芽がはえた式 -
森
07:れいんぼぉ - 動物式 -
森のおくりもの
08:肉 - はだか式 -
「蛇苺」(2000, Debut Japan LIVE)
「フィリップ・レッジャー」
さっき突然私の口がこう発した。
私の頭は、私の口の発する語が合唱指揮者の名であることに思い当たるのに、15秒掛かった。
私はレッジャーの演奏を聴いたことがない。馴染みのない名前がなぜ口を突いて出たのか、謎。
ググると、レパートリーはバロックから現代曲まで幅広く、私の関心に引っ掛かる曲も多いので、聴かずに来たのは、たまたま、というほかない。
まあフォレ『レクイエム』はガーディナー一択だし。
ガーディナー盤の響きが透明なのは、むろんピリオド楽器のオケ&ヴィブラートの無い唱法による合唱のせいもあるが、いわゆる「第2稿」(ネクトゥー/ドラージュ版?)を採用してるから、というのが大きい。従来最も演奏頻度の高かった「第3稿」よりも編成が小さい。
ただこれを以て「original orchestration」と銘打つのが適切か、この曲の「版」と「稿」の変遷には、微妙な問題がある。
オルガン版自体、初めて聴いた。
1分15秒目以降の盛り上げが節度を欠くようでもあるけど、これは曲の要請するところだろう。この曲は元来多分に下品だ。
ヴィブラートが深めに掛かってるだけで下品と感じる私の側に問題があるのではあるけど、まあとにかく私はヴィブラートが苦手だ。合唱も、独唱も、器楽も。
クリュイタンス/OSCC のラヴェル「逝ける王女のためのパヴァーヌ」のホルン・ソロにびっくりする。ホルンにヴィブラートを掛ける奴があるか! にしてもいったいどうやったらホルンにあんな見事なヴィブラートを掛けられるのか、ほとほと感心する。
イブラギモヴァの、ヴィブラートの無い透明なバッハが好き。
"Carols From King's"(『キングズ・カレッジのキャロル』)という DVD が手許にあったので、もしや、と思ってチェックしたら、レッジャーではなく、スティーヴン・クレバリー指揮(2000年の礼拝)と、ボリス・オード指揮(1954年の礼拝)を収めたものだった。
03月25日はドビュッシーの命日です。
ドビュッシー最後の作品は「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」です*1。1917年完成、この年の05月05日、ガストン・プーレのヴァイオリン、ドビュッシー自身のピアノで初演。これがドビュッシー生涯最後の公開演奏となります。
翌1918年の03月25日、直腸がんで亡くなります。
Ginette Neveu, violin
Jean Neveu, piano
Recorded Mar 18, 1948 Abbey road Studios, London
私が最初に聴いたこの「ソナタ」は、ジネット・ヌヴーのヴァイオリンによるものでした。さっそくこの曲に取り憑かれました。
その後いろんな演奏家を聴き較べて、ヌヴーについては「こんな情熱的でロマンティックで濃くて強いドビュッシーはドビュッシーじゃない」と、聴かなくなってました。
今回聴き直して感動したわけですが、私の反応のしかたは、私の予想と違ってました。
予想では
「有無を言わさぬ名演の前では情熱的だのロマンティックだのの評価は瑣末なこと、と思い直すに違いない」
だったのですが、むしろ逆に
「ドビュッシーがものすごく正しく音化されてる」
でした。
たしかに強い印象を残す演奏なので、これでこの曲に出会ったのは幸運だった、と思います。