Arachnoid

フランスのバンド Arachnoid、このバンド名の読みを知らないまま来た。

「oi」は「オア」と読みそうになる。

ツッコんで調べはしなかったが、過程で、英語の「-oid」の語源を知った。

 

-oid(←借入)ラテン語 -oïdēs(←借入)ギリシャ語 -o-eidḗ́s(←派生)eidos

 

つまり意味的語源的に、「-oid」の「o」と「i」の間で切れる!!

 

フランス語には、綴りとしては arachnoid、arachnoïde があって、後者の発音は「アラクノイド」。さいしょ英語の発音をなぞるための綴りかなとも思ったが、上記の語源を意識し尊重してる、という可能性のが大きそう。 

eidos が語源なのなら d の音を疎かに出来ない、綴りの末尾にしてサイレントにするわけにはいかない。

oi を二重母音「オア」と取るわけにはいかない。

 

(英語の「-oid」の「oi」は二重母音。ゲルマン語派の英語においては、ロマンス諸語のひとつであるフランス語においてよりも、この語の語源への意識が薄いのだろうか。)

 

フランス語の中で、というかフランス人がバンド名として arachnoid と綴る時、それは英語として使ってるのかも知れない。

で、結局、バンド名 Arachnoid を当人たちがどう発音するのかは、確認できないまま。

日本盤での表記は「アラクノイ」。

 

フルアルバム:

なんでもない曲

このバンドのハチャメチャなイメージからするとこの曲は淡々としてるしゆっくりだし弱奏だけど、このドローンの有機的な蠢きはどうやって作ってるんだろう?やっぱり過激。

 

'Sky Saw' 'Zawinul/Lava' などの張り詰めた曲を収めるこのアルバムにあってこの曲は如何にもリラックスして敢えて凡庸を通してるけど、フリップを思わせるが実はイーノ自身が弾いているギターのサステインが張り詰めて、これをこの曲に乗っける異化が、やっぱり過激。

メモ

3つのメモは相互に無関係です。

 

 

工場萌え

工場の外観の「過剰」を、私は、まるで意匠ありきで造形されたもののように見、陶然となる。つまり「芸術作品」として見てる。

でもじつは全体の構造も、部分の配置も、機能に沿って決まってる。どの細部も、それ自体や配置のされ方がいかに美しいからといって、いたずらな意匠ではなく、どのパーツひとつも、それが欠けると全体が正しく動かなくなるような、機能の必要から、そこにある。

音楽はそうあれない。

 

 

Simon Saysスウェーデン)はクリエイティヴィティの何たるかをわかってる。

このバンドを梵百のシンフォから際立たせる目覚ましいひらめきと自己批評の鋭さを聴き取れるかどうかが、プログレ者をあっちとこっちに分ける鍵になるかも知れない。

同名のバンドがアメリカにあるらしい。というかググるとこっちが先に出る。

 

 

クイーンの影響

 

なにこれかっこいい:

Sweet 'Action'

1975年。動画の説明に「1976」とある。アメリカでのシングルリリースが1976年なので、それのことだろうか*1

ハモリのクイーンっぽさは「トレブル・パート=ロジャー・テイラー・パート」があるせい。サビ手前で、トレブル・パートが加わってきて d から fis にしゃくり上げてブレイク、が印象的だけど、2回目(2'13")でそれが顕著なのに較べて1回目(1'11")が控えめなのは、わざと差を付けてるのだろうか?

 

Utopia 'Magic Dragon Theatre'

1977年なので、クイーンに影響されてないとは考えにくい。

 

Valensia 'Gaia'

1993年。

このシンコペイションのリズム(1'32"、1'40"、3'17"、3'26"、4'07"、4'24"、4'32")が好きなのだけど、

改めて聴くと、二分音符が短く感じる。これでジャストなんだろうけど、とくに 4'32" 目は、大詰めのセクションに入る手前なので、タメが欲しい。

この徹底したイン・テンポが、この曲の硬質な魅力の理由、ではあるのだろう。

静かな大安です。*2

*1:追記 2022年04月13日

ウィキペディア「アクション(曲)」によると、この曲には4種のミックスが存在するとのことです。その記述に基づくと、この動画のヴァージョンは1976年のアルバム "Give Us A Wink" のもののようです(画像はそのジャケです)。

*2:追記 2024年02月04日

これです:

「恩師のスナックコンパ」の俳優さんだ。

あと、MV があるの知らなかった。惚れてしまう。