ごはん 分類 至福

きっかけは、ある方のツイートにあった「真っ二つにしたアポロチョコ」というフレーズだった。

私はその時、

「アポロチョコを真っ二つにするのに、横にそうする(2色を分離する)か、縦にそうする(等分する)かで人の性格を真っ二つに分類できないかな?」

とリプ差し上げた。

「真っ二つ」を「2等分」と解し、これを正確にやるには、アポロチョコを円錐と見做して頂点と底面の中心とを含む平面で切る(=縦に切る)、のがいちばん簡単だ。ミルクチョコとイチゴチョコそれぞれについても、2等分される。

でも元ツイ主のご主旨は、ミルクチョコ部分とイチゴチョコ部分とを分ける(=横に切る)、だった。

 

解釈①

ミルクチョコ部分とイチゴチョコ部分は別々に作って後で貼り合わせてあるのだろうか?そうなら、両者を引き剥がす=横に切るのは造作無いと思われる。

縦に切るためには、刃物を用意せねばならない。

「横に切る」は、「切る」=力を加える・意思を押し通すというより、自然の「切れる」向きに沿う、つまり「タオ的」だ。対して「縦に切る」は「人為的」だ。

 

解釈②

「縦に切る」は、その意図・目的が実際的だ。「平等に分配する」こと。総量としても、ミルクチョコ・イチゴチョコ各成分についても。

「横に切る」は「成分分離」に興味を置いている。それも後々何かの「役に立つ」かも知れないが、さしあたっての興味は実際的であるより学究的だ。

「縦に切る」は人文科学、「横に切る」は自然科学、といえる。

 

 

ルマンドアイス道」は作法をめぐって流派が対立している(私の脳内で)。

図。

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対立点A:横に食べるか(図の①)、縦に食べるか(図の②)。

対立点B:割って食べるか、割らずに食べるか。じっさい如何にも「4つに割って下さい」と言わんばかりに3本の溝がある。

じつはこの2つの対立点は一如であって、つまるところ、

対立点C:ルマンドとアイスとを、一緒に食べるか、分けて食べるか。

に収斂される。割って①方向に食べ進めばルマンドとアイスを同時に食べることになり、割らずに②方向に食べ進めば交互に食べることになる。

ちなみに私の作法は、

《分けること乃ち低エントロピーを貴ぶこと》

との立場から、まず②方向に 4分の3 食べ進む。

残る 4分の1 は、流派に関らず同じものである。これは①方向に食べるかも知れない。これを②方向に食べるのには「依怙地」が必要である。

 

私の作法はまず「完全な空腹」を以て臨むことが基本である。最大の感謝と最大の貪りのためである。同時に、この基本を以て初めて 150mL のルマンドアイスを一気に完食することができる。最後の 4分の1 部分は、食べ始めからずっと手が持っていた部分で、ここに差し掛かる時には既に相当溶けが進んでいる。「②方向」の貫徹を目論むのが無謀な程度に、である。対立点Bにおける「割る」の作法とは乃ちこの持ち手の温度による「溶け」を最初から回避することを目論むことであり、私はこれを「卑怯」控えめに言って*1「無粋」と見做す。

ごはんは、作るのも、頂くのも、「時間との戦い」だ。

 

近所のスーパーだと ¥198+税、セブンだと定価の ¥225+税。

スーパーはセブンの 88%。1個だと税込 ¥213、2個だと ¥427 なので1個のが割安だが、「ルマンドアイスを1個だけ買う」のは私には不可能だ。昨日は3個買った。

うちの冷蔵庫は1ドアで、申し訳程度の「製氷コーナー」がある。そのコーナーのキャパがルマンドアイス2個なのである。じゃあなぜ3個買うか?1個は即食べるのである。

アイス一般に、溶ける寸前の柔かさがいちばん美味しい。この製氷コーナーは能力が小さいので、アイスを理想の柔かさに落ち着かせ、保つ。

 

ルマンドアイスは、ルマンド+アイスのハイブリッドというコンセプトの「当たり!」感もさることながら、アイス自体がクリーミーで風味高く、その点でクォリティに妥協が無い。

 

にしても当ブログはかねがね、

「アネクドテンを好きか、アングラガルドを好きか、両者をごっちゃにするかで、プログレ者全体をキレイに3分できるのではないか?」

とか、スティーヴ・ハケット『侍祭の旅』について

「これを許容できるか否かでその者のジェネシス理解度を判別するリトマス試験紙

とか、ヒトを、あっちとこっちに、分類したがる。

 

 

コージーコーナー「贅沢きらぴ香いちごのショート」。きらぴ香は上品な味だと思った。クリームたっぷりで、サイズ大きめで、値段分の至福。

これだけ買った。あとで思えば、例えば定番商品「苺のショートケーキ」と食べ較べれば、主観の気紛れによらない評価が出来て、その場だけでない、今後にも使える指標を、自分の中に持てたかも知れない。

上述の感想は、まさに「その場の主観」。でも、至福とは最終的にそれのことではないのか。

「文化は差異の体系」という言い種から逃れる術は無い。けど。「贅沢きらぴ香いちごのショート」と向き合ってる時は、比較対象の無い「もうただそれだけ」状態でいたい。

 

コージーのHPからはこの商品のページは既に削除されてる。私はこの商品を、つい最近店頭でたまたま知ったのだが、この記事

news.walkerplus.com

によると、

1月6日(土)より、全国の生ケーキ取扱店舗で旬の「苺」を使った新作スイーツ8品を期間限定販売」

だったのだな。

*1:字義通り「控えめに言って」。