ねこじゃしんがもう何枚か出て来たけど、一眼レフで撮ったものはやはり見つからなかった。
彼女にとって最も近い存在が私であるというのは奇妙な感覚だった。彼女の世界の住人は、彼女自身を含めて3者で、共に過ごす時間の長さだけからいうと私がいちばん長かった。彼女は私を介して世界に加わっていた、というのは私の傲慢だけど。
もっぱら室内飼いだったけど、一度だけ、庭に連れ出してみた。完全に腰が引けてる。
警戒しつつも好奇心を尖らせて、家の周りを一周して元の位置に還れる、ということを発見した時には、喜んでグルグル回遊し始めた。既知のものとなったルートを臆することなく猫のスピードで走り回るので、捕まらないし、追いかければ逃げる鬼ごっこが始まってしまった。新しい遊び場を大いに気に入って、室内に戻されることを拒んだ。