余白

ピグワールドで街並を描きながら、迷う。

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この、明るい緑色の地(じ)に濃い緑色のポツポツの、建物も道路もタイルも置いていない、初期値の部分。

「まだ造成してない範囲」なわけだが、それならそれを示すタイルを敷いて「造成してない範囲」として表現すべきではないか。

 

初期値をそのまま残すのは、油絵で雪景色を描くのに、カンヴァスがたまたま白だからと、それをそのまま見せる、みたいなことではないか。

あるいは、「そこに何も無い」ことを表現するためには、そこに何も描かないのではなく、「そこに何も無いことを描く」ことが必要ではないか。

 

(実際には、「砂利タイル」は茶色が濃くて、広い範囲に敷くと街が暗くなるし、「芝タイル」は「ワールドチケット」との交換なのでゲットに時間が掛かる、という事情もあるのではある。それはそれとして、考え方の問題。)

 

水墨画の「余白」にものを言わせる境地にまで、ピグワールドで至れるだろうか?

 

ふと思い出した。どこで聞いたエピソードだったか。

壁に額縁がひとつ掛かっている。その中に絵が無い。

見た人が、掛けた人に尋ねる、

「なぜ絵の無い額縁が掛かってるのか」

答えて曰く、

「この額縁が無ければ、ここに絵が無いということに気付くことが出来ないでしょ」