Peter Gabriel 'I Don't Remember'

あっ……

8分で刻んでるの、クローズド・ハイハット、だよね…

出だしと、3分目過ぎで聴きとりやすい。

気付いてなかった…

じゃあ、これ

は、1つ目の選択肢も正解だ。全員正解。

ごめんなさい。

 

にしても、アルバム中この曲にだけハイハットが入ってるのは如何にもアンバランスだけど、理由は判る気がする。

この曲はシングル曲('Games Without Frontiers' とのカップリング)なんだけど、シングルとアルバムとでアレンジが違う。シングルヴァージョンではハイハット使ってる。これをアルバム用にアレンジする際、アルバムトータルのサウンドプロダクションに沿わせつつシングルでのノリを殺さない、ということのために、この落とし処になったのではないか。

ハット使う。でも目立たない音量。ピッチを落としたみたいな音色。クローズドだけでオープンは使わない。

 

とにかく、この Peter Gabriel のサード・ソロ・アルバム、クラッシュシンバル、ライドシンバルが1度も鳴らない。ハイハットも 'I Don't Remember' 以外では鳴らない。私自身がCD聴いて気付いた「ソースは私」案件なので、チェック漏れがあったら済みません。

 

ファースト・ソロ・アルバムに参加してるのは、BBC交響楽団ではなく、LSO(ロンドン交響楽団)です。

カレーライス?ライスカレー?

こちらのアンケート

に回答差し上げようとして、ハタと困った。

私の保護者は「ライスにカレールウを掛けたもの」の呼称として、たんに「カレー」と言ってると思う。殊更に「カレーライス」または「ライスカレー」と言ってるところを思い出せない。

 

「カレーライス」と「ライスカレー」とが同じ物の別の呼び名だとして(それぞれ別物という説もあるようだ)、なぜこの違いが生じるのか?以下、事実に即した検証ではなく、私の勝手な想像で探ってみる。

ただ、御ツイのアンケートでは、世代的に、昔の世代ほど「ライスカレー」と仰る方が多い、ということが問題にされてると思うけど、そこの理由は、私には判らない。

 

①食習慣として

日本では、カレーの食べ方といえば圧倒的にカレーライスなので、「ライスの食べ方としていろいろあるうちの、カレーを掛ける食べ方のやつ」=「カレーライス」となる。

これが、カレーの食べ方に多くの選択肢のある文化圏では、「カレーの食べ方としていろいろあるうちの、ライスに掛ける食べ方のやつ」=「ライスカレー」となる可能性がある。

私個人の感覚としては、私は「カレールウの掛かったライス」を食べるのであって、したがってあれは「カレーライス」だ。「ライスカレー」は不思議に感じる。「ライスに掛けたカレールウをお召し上がりになるのだろうか?」と。

 

②言葉として

日本語の語順としては「カレーライス」が妥当だ。ここは議論の余地がない。

英語の語順をそのまま移して「カレーライス」または「ライスカレー」の語順が決まる、ということはあるかも知れない。

curry and rice や curried rice から「カレーライス」。

rice with curry から「ライスカレー」。

 

いや、逆だろうか?

カレーライスは日本独自の料理で、英語の curry and rice、curried rice もこれを指す。

curried rice なら、これは rice であって、curry はその調理法、主か副かでいえば rice メイン curry 副だけど、curry and rice だとどっちが主どっちが副というのはないし、rice and curry という言い方もあるにはある。

でもじっさいには curry and rice の語順の方がポピュラーだ。日本語の「カレーライス」が先にあって、これをなぞってる、のかも?

使い回し

The Who 'Cut My Hair' の折返しの歌詞

Zoot suit, white jacket with side vents

Five inches long.

は、どうやら 'Zoot Suit' の歌詞が元になってるようです。

I wear zoot suit jacket with side vents five inches long.

 

'Zoot Suit' とは。

The Who が、The Who 名義のデビューシングル 'I Can't Explain' 以前、バンド名を一時的に The High Numbers に変えていた時に出したシングル曲です。

《(ピーター・)ミーデンはバンドを当時流行していたモッズ族として売り出すことを画策し、メンバーにモッズ系の服を着ることを命じ、さらにバンド名をハイ・ナンバーズと改めさせた(略)1964年7月3日、ミーデンが書いた「ズート・スーツアイム・ザ・フェイス」(略)で、ハイ・ナンバーズはレコード・デビューする。しかしレコードは1000枚しかプレスされず、ミーデンの懸命な宣伝活動の甲斐もなく、デビューシングルは不発に終わる》(Wikipediaザ・フー」)

自作曲でもなく、ミーデン(日本語版 Wiki ではパブリシスト、英語版 Wiki ではマネージャーとなってます)に宛がわれてやった結果ヒットもしなかった曲の歌詞を敢えて使い回す、というのは、シャレ(自虐ネタとも言えそうな)以上の意図が何かあるのでしょうか?

だって 'Cut My Hair' の「サビ」ですよ?繰返し歌われる。そこにこれを使う動機とは?

というかこの 'Zoot Suit' という曲は、"Quadrophenia" リリース時点で、The Who の聴き手の間でどのくらい知られてたものなのか。シャレが注釈なしで通じる程度には有名曲だったのでしょうか?

 

 

最も感動的な使い回しは、これの 4'57" 目と 5'32" 目です。

'Supper's Ready' からの2行の使い回し。

「There's an angel standing in the sun,」

「freed to get back home.」

 

この使い回しの意図は何でしょう?

私は当初、ゲイブリエル期の幻影を引きずる真似を何故するのか?と訝りました。

のちに思い直して、ゲイブリエルが抜けようが抜けまいが一貫して我々がジェネシス、という表明と解釈しました。

その場のノリ、たんなるシャレという公算が最も大きいですが。

 

過去記事。

 

デイヴ・ステュアート使い回す

National Health 'The Bryden 2-Step (For Amphibians), Pt. 1'

ステュアート曲

アルバム "Of Queues And Cures" (1978)

3'09" 目 ~ 4'09" 目のリフ。

Bruford 'Land's End'

ステュアート曲

アルバム "Gradually Going Tornado" (1980)

 7'57" 目 ~ 8'52" 目のリフ。

 

白井良明使い回す

ムーンライダーズ「犬にインタビュー」

詞:佐伯健三・白井良明、曲:白井良明

アルバム『ANIMAL INDEX』(1985)

0'44" 目のコーラス。

ショコラータ「いつか見た青空」

詞:太田螢一(訳詞:Pinuccia)、曲:渋谷英広・かの香織、編曲:白井良明・ショコラータ

アルバム『Cioccolata』(1985、プロデュース:白井良明

0'03" 目のコーラス。

 

ブライアン・イーノ使い回す

Eno 'The Big Ship'

Eno 作曲

アルバム "Another Green World" (1975)

Eno / Cale 'Spinning Away'

Brian Eno, John Cale 作曲

アルバム "Wrong Way Up" (1990)

コード進行が↑の使い回しです。

 

フレッド・フリス使い回す

Henry Cow 'Teenbeat'

フリス曲

アルバム "Legend" (1973)

の 2'46" 目で現れ、3'17" 目以降執拗にリフレインし、同アルバムの

'Extract from 'With the Yellow Half-Moon and Blue Star''

フリス曲

の 2'21" 目に現れるメロは、

Henry Cow 'Ruins'

フリス曲

アルバム "Unrest" (1974)

の 1'21" 目 ~ 2'07" 目 に使い回されます。