榊の九官鳥

今朝目が覚めた直後、私の口が「さかきのきゅうかんちょう」と呟いた。

それを聴いた私の頭は驚いた。それは私が小学6年生の頃何度か口にした言葉で、その後完全に意識から消えていた。

通学路から見えるところに一羽の九官鳥の鳥籠があって、そのお宅の表札が「榊」だった。いつも連れ立って下校する級友がいた。その鳥籠の前を通りかかるたびに、ふたりのうちのどちらからともなく「榊の九官鳥だ」と声に出して言い、そのネーミングにおかしみを感じてくすくすと笑うのが常だった。

ふたりのやり取りの中だけに存在するターム。で、その後これが発せられるシテュエイションが失われ、タームはこの世から消えた。

今朝たしかに夢を見てた。それは具体的で鮮明だったわりに、目覚めてから現実のロジックで記述するのが困難なものだった。筋も、細部も。

なんしろ、「榊の九官鳥」に直接に結び付く内容を含んではいなかった。級友が登場したわけでもない。それでも何か、夢がこのひとことを発することに影響したのだろうか?

 

これも何かの拍子にするっと出て来ればいいのに(未解決):