スーパー猫の日

私がスーパー猫です。

あるジュニア・アイドル雑誌のグラヴュアで印象に残ってるカメラマンが1人いる。尾形正茂。
私は撮影時、フレームを水平鉛直に合わせるように努めるのだけど、後でチェックすると必ず傾いてて、しかも傾く向きが、右左どっちもある。
もちろん、写真は3次元を2次元で表すものだから、焦点距離*1が短い場合や、アオったり見下ろしたりの場合、ユークリッド的に平行垂直であってくれない線のうちのどれに沿わせることが「傾けない」ことなのか、という問題は生じるけど。
尾形正茂の写真は一点一点堅実な印象で、ことにびっくりするのは、フレームが絶対に傾かないこと。まれに傾いてる場合、それは「傾いてる」のではなく、演出上意図的に「傾けてる」のだ。
この雑誌のメイン・カメラマンは河野英喜だった。河野の写真は必ず決まった方向に傾いてた。動く対象を追いかけて、対象とインタラクトしつつ、シャッターチャンスを捉える時、フレームが傾くとかは問題ではない。
河野のダイナミックに対して、尾形は完璧な絵をがっちり作るスタティック。そういう印象だった。

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*1:一眼レフの発想。