'Sir Duke'(キー:B)のサビは、歌メロだけ取ると、「ミソソミソミ|シラシラ」と、この上なく素直でシンプルでキャッチーなダイアトニック。
そこに、B → Fm(→ Emaj7)とコードづけする。
Fm!G♯m ではなく!
G♯(6度のメジャー)の代替とも取れるし、
次の Emaj7(サブドミナント)との関係で決まってるようにも見える。
f は b から見て増4度だけど、奇を衒ってそうしてるのではない。じじつメロの「ナチュラルさ」(「自然さ」&「臨時記号を伴わなさ」)と「キャッチーさ」を妨げない。Fm → Emaj7 の進行も滑らかだ。
「天才」という語で呼ぶことは、どこがどう天才なのか論ずることを放棄することだ。「マジやばい」と同値だ。
けど、イレギュラーな創意を自然にやってのける Stevie Wonder を、天才の摂理に与る者と呼ぶ以上の適切はないのも事実だ。