山下剛一による岡田めぐみインタヴューの記事を「ピュア☆ピュア」誌上で見たと記憶してた。
が、この雑誌はキャストの年齢が U-15 に限定されていたこと、岡田氏の年齢、山下氏がピュア☆ピュアにいた時期、を考え合わせると、「ピュア☆ピュアハイ!Vol.1」だったと思われる。
「ピュア☆ピュアハイ!」は、卒業生=かつて本誌に登場し16歳を迎えたアイドルをキャストした姉妹誌。Vol.2 以降は未刊。
その記事の結びの部分を、記憶に頼って再現してみる。
――いやあ、岡田さん!感性鋭くなってるんだね!ちなみに最近のマイブームは?
めぐみ「おはしでみかんゼリーを食べることですっ!」
――はっ、はへっ(脱力)??
めぐみ「ロケ先でスプーンが無くて仕方なしにやってみたら、すごくいい感じで!今ではスプーンがあってもおはしで食べます。おはしでみかんゼリー食べてると誠実な気持ちになってくる」
――…感性鋭くなり過ぎて、よく分からない方向に向かってるような…ま、いっか…
楽しく笑って読めばいいくだりではある。ただ私は、岡田氏の「誠実」というご発言から、昔ラジオで聴いた、福井貞子さんの野良着についてのお話を思い出す。
作業に意識を集中させること。
気持ちが、機織りの作業に沿わせてゆくうち真っ直ぐになる、日常の厭なことも浄化されてゆく、みたいなお話。
工芸作家の発言ではなく、戦後すぐくらいの農村の、日常の労働としての機織りに従事する一般女性のお話。ナイロンの登場で「野良着」もそれを生み出す技術も失われる以前の。
福井貞子さんは、その間際に辛うじてこれを救い出した功労者、と言っていいのだと思う。
滅びる技術を救い出し受け継ぎ、でも以前のような社会の中での生業というありようとは別物なのだろうけど。
おはしでみかんゼリーを食べるためには、気持ちを真っ直ぐにし雑念を排し意識を集中させることが必要だ。体得するには己の身体を知りこれをコントロールせねばならない。
岡田氏のおっしゃる「誠実」は、仕事や作業一般に通じる。