遠くでブラスの音。
発生源をたずねて歩く。
人と行き合うことも稀な、ひたに静かなこの地区に、異界が現出したかのような人出。
少し前から町中の至る所に幟や横断幕が出てた、その文言「まちかど博物館」というのは、催し物のタイトルで、この日11月06日がその当日であるらしかった。
歴史のある町だけど(西日本は歴史が深い!*1)、平生、観光客は全く見掛けない。私自身が、今のところ(おそらく今後も)余所者だし、景観への眼差しが「ものめずらしさ」で、つまり私がこの町の唯一の観光客。
私には「観光スポット紹介」的な写真・動画は撮れないのだよな…
ブラスバンドの本番の演奏は所用で聴けなかった。
といって、むろん曲演奏にも興味があるけど、「空間の中での音の振舞いを面白がる、得体の知れない物音に惹かれて彷徨う」ことのほうにワクワクする。
単純な繰り返しだけど音色が微妙に変わるアナログ機械。
高所恐怖症なのがまる判りの図。
リヴェンジ。
視覚的に、空間のメタリックな質感に惹かれたのだけど、結局いちばん印象が強かったのは、階段のたてる金属音の意想外の音量だった。ぐらつきの不安を煽った。
*1:という言い種は不用意と思いつつ