ソースに当たって確認できたこと2つ

今日一日を、20個の段ボール箱にしまった本を全部取り出してまた詰め直す作業に費した。

数年前ここに引っ越してきて以来、開封しないままにしてた。いつでも夜逃げ出来るための準備として。

 

元々のつもりでは、そのままの状態で全部ブコフに引き取ってもらう筈だった。

いろいろあって、詰め替えつつ分類することにした。1冊1冊チェックしてると、手放せなくなってくる。いつの間にか、手許に残すものと手放すものを仕分ける作業になっていた。

 

で、いろいろ発見があった。

吉田秀和『LP 300選』の文庫本が出て来た。…なんで私の持ち物の中にあるの?

先達ての記事で言及した「アルキメデスの支点の追求」の語句を確認。「ロマン派の天才たち」の項で、ロマン派の中枢たるヴァーグナーを論じつつ、

「彼の総合芸術は巨大なごたまぜだ。けれども、ヴァーグナーは、少なくとも音楽の見地からみると、この世紀前半のロマン派がつみあげた全音楽語法を集大成し、かつ、それをこの世紀後半全部をかけておしつめた限界まで、徹底的にもっていったのだ。私のいうのは、十六世紀の過程をへて、十七世紀にかたまり、十八世紀、十九世紀をつらぬいて、ヨーロッパ音楽語法の脊椎となっていた調性の体系を、極端におしすすめ、破局の寸前までもっていったことである。彼以後、二十世紀前半の音楽の本当の前進は、この調性の破産と、新しい音楽構成のアルキメデスの支点の追求にあった」

10年くらい振りで読み返すと、以前の私よりももっと解らなくなってる…

 

全て処分したと思ってた CD がさらに大量に出て来た。本のジャンルの分類どころか、本と CD と DVD と VHS テープが同じ箱から出て来る。この4月に CD を処分した時、上部にスリットを入れて本がチラ見えたらそれは本の箱、と見做してた、その下に CD が眠ってた。

で、今日の最大の収穫は、Jacques Mercier 指揮 Orchestre Nationale D'Ile de France によるドビュッシー『聖セバスティアンの殉教』の CD が出て来たこと。以前、ドビュッシーのおすすめ曲とそれぞれのおすすめの演奏・録音を挙げるという、それこそ『LP 300選』まがいの記事を書いた時、『聖セバスティアンの殉教』については、夾雑物を一切含まない極め付きに透明な響きの演奏として、何よりもこの盤を思って、でも演奏者名を思い出せず挙げられない、という不覚を取った(2002年当時、初めて知った指揮者とオケだった)。

最近 Lenovo に替えたのだけど、今回 Mercier さん聴くためにディスクドライヴ初駆動、と思ったのだけど、イジェクトボタンが反応しない。「デバイス マネージャー」>「DVD/CD-ROM ドライブ」では「HL-DT--ST DVDRAM GUE1N」が「このデバイスは正常に動作しています」とのことなので、Windows10 の問題だろうか? 情弱の私的にはいろいろややこしいのでいったん諦める。

 

本はけっきょく半分が手許に残ることになった。処分しきれなかったのは、大半が未読、積ん読というか段ボール箱に詰め読だったから。

 

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