そういえば昔、知人から、
「音楽を聴いて泣く、ということは茶飯事だけど、絵画では、見て、感動はしてるんだけど、泣くということが起きない。この差の理由は何だろう?」
と問われた。
音楽が時間芸術だから、でしょうか。
泣くためのエネルギーは、時間経過の中、曲展開の中で、貯めこまれ、ある瞬間いっきに解放される。
「来るぞ来るぞ」の期待からの、期待どおり「キター!」の感涙とか。
その逆の、予想を裏切る手口が、感涙を喚ぶケースとか。
不意を衝くとか。
来ると見せかけて一瞬ポーズを置いてタメを作ってからドーッ!と来る、微妙に前後に揺さぶりをかけることで泣かす、とか。
全ては「タイミング」。
だからこれは聴覚か視覚かの差じゃなくて、視覚芸術でも、動画・映像作品では泣ける。
ちなみに私は「ストーリー」では泣けない。見せ方の「仕掛け」で泣く。