都市伝説(吉松隆)

今日03月18日は吉松隆の誕生日だそうです。

 

 

以下、2017年の記事で書いて、2020年に追記した内容なのですが。

 

Wikipedia「朱鷺によせる哀歌」の項に

〈作曲家の紹介文献で「『朱鷺によせる哀歌』で尾高賞を受賞した」と記述されていることがあるが、事実ではなく、本人も公式サイトで否定している〉

の一文を発見して、狐に抓まれたのでした。

私も尾高賞受賞作と思い込んでいたので。じゃあそのデマの出処は何なんだ?

 

Wikipedia吉松隆」は、この誤った記述のある箇所として、青島広志『作曲家の発想術』(講談社現代新書、2004年)p.263 を挙げています。

 

いっぽう、1982年に「尾高賞30周年記念N響コンサート」でこの曲が取り上げられ、同年レコード化(1991年にCD 再発)されています。作曲の翌年というタイミング。これが「朱鷺によせる哀歌」と「尾高賞」とが人々の記憶の中で結びついてしまった端緒、都市伝説ないしマンデラ・エフェクトの大元なのかも知れません。

 

どっちみち私個人の誤認の原因は判りません。

 

周知の曲なのでつべは貼りません。

1981年の時点に、この調性丸出しの、こっぱずかしいまでのロマンティシズムは、そうであるがゆえに却って新鮮だったのかも知れません。