PFM "Photos Of Ghosts"

とにかく気持ちの良い音楽を貼りたかった。

 

私のプログレ歴は、入門こそ『狂気』だったけど、その後長く、ジェネシスの諸作とともに、PFM 'Photos Of Ghosts' がテンペラメント的には一番ぴったり来る、という時期が続いた。

就中 'Promenade The Puzzle' がわたし的に大事な音楽の瞬間を含んでる。表題曲 'Photos Of Ghosts' の、細部の繊細と展開の自在な幅広さ、込み入った作曲・アレンジに較べて、この曲は形式が大雑把かも知れない。でもそういう巧拙を論うのが瑣末に思えるほど、得難い、イっちゃってる境地がここにはある。

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その ’Photos Of Ghosts'。演奏力の聴かせどころも存分に用意されてる。

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でも、もしオープニング曲が 'River Of Life' でなかったら、このアルバムのリリースが全世界にここまでの衝撃を与えることはなかった筈。

冒頭の、殆どバロック音楽そのものみたいな多声的な書法とソノリティと、それを生き生きと息づかせるアンサンブル力。それまでイギリスのバンドたちが、ロックからのアプローチで示唆してはいた世界が、ノーマークだったイタリアから突如現れたバンドによって、「本物」の形で具現化されてしまう。薫り高く。それを見せつけておいて、急転直下、ロックのユニゾンの、和声に沿ってるのに「なんじゃこりゃああ!」案件に聴こえる、のたうつ音形の破壊力。

白玉ホモフォニーによる情感たっぷりな盛り上がりの箇所は、私個人的には鼻に付くけど、それを含めて見事な構成力。

このアルバムのリリースで、後続のイタリアのバンドは世界進出の道を開かれたんだろうけど、同時に、いきなりハードルを上げられてしまった。

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"Photos Of Ghosts" に先立ってイタリアでリリースされ、その原型になった、イタリア語で歌われるイタリア盤たちこそ、本来だし、素晴らしい、という評があるけど、私にとって PFM というとどうしても、このマンティコアからの世界デビュー盤 "Photos Of Ghosts" ということになる。たんに馴染みの問題だろうか?