シャルル・シェーヌ(1925 - 2016):オルガン、弦楽オーケストラ、ティンパニと打楽器のための協奏曲(十字架の聖ヨハネの求道詩による)(1966)
マリー=クレール・アラン(オルガン)
指揮:セルジュ・ボド
Charles Chaynes : Concerto pour orgue, orchestre a cordes, timbales & precussions
Marie-Claire Alain, orgue
Orchetre philharmonique de l'ORTF
Direction : Serge Baudo
『十字架の聖ヨハネの求道詩』からの3篇の詩への「挿絵」「音楽的注釈」である、と作曲者自身が語ってるが、表現的でありつつも、飽くまで「音楽語法」として処理される。
シェーヌは本能を、自らの個性の自由を最優先させ、どの流派からも独立を保ち、技法の探求に貪欲ではあってもア・プリオリな技法は拒否する。
私は、1966年の時点でこの作風は保守的と感じるけど、それも「本能の自由」の為せるところというべき。
3つの楽章からなり、アルバム・ジャケットの表記によると演奏時間は 9'33"、9'34"、7'07" なので、2つに分けたこのつべは、第2楽章の途中で切れてる。
実家にあったのはアナログ国内盤「エラート・フランス現代音楽名盤選」という廉価盤シリーズの1枚で、同じシェーヌの「ピアノ協奏曲」とのカップリングだった(ピアノはイヴォンヌ・ロリオ)。私はとくに「オルガン協奏曲」の方に深く打たれた。
コンセプチュアルだったりアヴァンギャルドだったりしないことに「これでいいの?」と逆に戸惑いつつ、響きそのものとして美しく、そのいちいちを明確に腑に落としつつ聴き進められるこの曲に、魅了された。「表現」として強いこと、なおかつそれがどこまでも「音楽」としての説得力であることを「真摯」と感じた。