Four Tops 'Reach Out I'll Be There'

追記(2020年07月17日)始め

リンク御記事中のつべをここにも貼っておきます。

追記終わり

 

 

お貼りになってるつべの 'Reach Out I'll Be There' という曲、めちゃめちゃにかっこいい!

モータウンって、こんな凝った作りの曲があったのか!

私が普段プログレを聴いてるのと同じ聴き方で聴ける。

と思ったら案の定、The Sweet がカヴァーしてる。他にもこの曲のカヴァーは数多い。

私はモータウンほぼほぼ知らないので、他との比較でとか、レーベル全体の中での位置とか、何も言えないんだけど、バラカン氏の驚きというのが、判る気がする。

各部分の尺とか、トニックを避ける和声とか。

サビの造形の立ち方とか、オーケストレイションの美しさとか。

トニックを避けつつも、キーは、ヴァースが G♭、サビ(とイントロ)がB♭と見做せるけど、なんなんだこの長3度隔てた関係のまま放り出す構成は!

G♭の3度なら B♭m と思いきや、メジャーコードの B♭。これと、マイナーコードの E♭m との行き来の美しさ。

 

これはつまりどういうことなんだろう?

E♭m をトニックに据えて関係を捉えれば、G♭はその平行調、B♭はドミナントなので、見事に整合性があるんだけど、この関係を使って、なおかつトニックを E♭m に置かない、ということかな?

メジャーの曲の筈なのに響きに陰翳があるのは、E♭m という隠しトニックがあるから、というべきか。

 

短調の和声」というものは、「長調の和声」を平行に当て嵌めるものではない。

この曲の陰翳は、たんに基調がメジャーなところにマイナーコードを挿むことによって得てるんじゃなくて、「短調の和声」に拠りつつ、表向きトニックを長調に置くことで得てる、といえるだろうか?

 

とか分析するのが野暮な、「天から降ってきた」音楽。作曲者はこの楽想を得た時「やった!」ってなっただろうな。