Noëtra ①/2

ジャズは「作曲家のものであるより演奏家のもの」だろう。私がジャズに親しめずに来たのはこのせいだ。私の関心は作曲にある。

むろん作曲と演奏とを峻別は出来ない。ジャズは「演奏家のもの」というより「演奏即作曲であるもの」というべきだ。

とにかく私は、ジャズ・ロックのうち、リフ上でやるにしろ、モード・ジャズ的にやるにしろ、ソロが延々続くものは、苦手だ。

 

その私にとって Noëtra (Noetra) は理想的だ。便宜上ジャズ・ロックに分類されることが多いようだけど、ギタリスト Jean Lapouge による「作曲」を具現化するためのバンド、という特質で際立つ。造形で押して来る。作り込みが身上。ソロは結構の中に組み込まれる一要素であって、これのために尺を割く場面が、ものすごく限定的だ。

 

1976年から1985年まで活動、当時はリリースが無く、1992年以降 Musea が音源を発掘、アルバムを制作。

① "Neuf Songes"  Musea FGBG 4034.AR(CD、1992年、Noetra 名義)

 録音は1979~1981年。

② "Définitivement Bleus..."  Musea FGBG 4353.AR(CD、2000年)

 録音は1979~1982年。

③ "Live 83"  Musea FGBG 4851.AR(CD、2010年)

 1983年、あるラジオ局でのスタジオ・ライヴ。

④ "...Résurgences D'Errances"  Musea FGBG 4891(CD、2011年)

 1978年、1980年、1981年のライヴ音源集。

 

たしかに、クリーン・トーンのギターのアルペジオないしミニマル的音形の反復が曲の骨格をなす上に、各種管楽器・弦楽器の線を繊細に重ねて、響きのテキスタイルの持続の美しさで聴かせる、という場面もあるにはある。Carpe Diem ってこんなじゃなかったっけ?と思わせるような。じっさいソノリティはこのバンドの大きな魅力ではある。

管・弦を含む編成をチェンバー的と呼ぶのは気が進まないが、①のラスト曲 'Périodes' は、Julverne っぽい。

でもまあ、以下、私の好みで、貼ります。

 

こちらのチャンネルが、4つのアルバムの再生リストを作ってる。つまり4つのアルバム収録曲が全て上がってる:

①から。

②から。

 

つづく。