Olive Mess のライヴ映像

Olive Mess のドラマー Edgar Kempish さんが、ご自分のつべのチャンネルで2003年のライヴ映像をお上げになってる。

 1st. アルバム "Gramercy"(2002年、Soleil Zeuhl)からの2曲。4人編成。

 

私の関心事は「作曲」であり「内発性」だから、"Gramercy" はかけがえない1枚だった。造形に意志的な作曲家が、自らの作曲の具体化を、作曲の必然のみに忠実に、遂行する、そのために必要なバンドの演奏能力はとりあえずあるからこれでいいのだ、と思った。

というのは、バンドアレンジ的に、ここは強弱や表情にもっとメリハリを!と思わせる箇所があるので。プロダクションが甘いというか。

2nd. アルバム "Cherdak"(2008年、Mellow)はより完成度が上がってる、アレンジも見栄えがする、といえるのかも知れないけど、"Gramercy" の、この作曲家によってしか聴きだされない音楽が、知られずひっそりと、虚飾無く、形にされてる、という感触が、"Cherdak" には少なかった。

ムソルグスキーの特殊な音楽が、リムスキーによって一般に理解可能な形に翻訳されることの功罪」に似てる。

当時認識してなかったけど、"Gramercy" って Soleil Zeuhl から出てたのか。じゃあ「知られずひっそり」じゃないな。

 

ライヴ映像の「演出しなすぎ」「身なり気にしなすぎ」にさいしょ戸惑うけど、作曲を淡々と音化することに徹する姿勢を、深く納得する。

 

これは2006年。