この曲は頻りに転調するけど、E を以てこの曲のキーとする。
「造形のインパクト」
ところが、曲開始のルートは A。しかも出合頭に増4度の重なり。ここの歌メロはサビと同じだから、つまり「サビ始まり」の「サブドミナント始まり」の「増4度始まり」。
ふつうにトニック上のサビが現れるのは、ようやく 1'32" 目*1。
歌い出しは gis。トニック E に対してはふつうに3度だけど、曲開始の響きは a、dis、gis の「増4度、長7度」ということになる。
こういう場合、先に思いつくのはどっちのサビなんだろう?素直なトニックの方が先にあって、コード付け替えを試して得られたものを曲冒頭に持って来たのだろうか?
あるいは、トニックの方は素直すぎて「ひらめき」としては弱く、曲の形に仕上げる動機にはなりづらいだろうか?「曲開始の響き」の発見がまずあって、これが作曲の動機だろうか?
つまり、鍵盤上で、下声 a の上で、内声を d ~ f の範囲で半音刻みで動かし、上声を e ~ gis の範囲で全音刻みで動かして、響きを探り、「曲開始」の楽想をまず得る。このうち上声の動きが「ミ→レ→ド」と読み替え可能なので、そのように注釈したのがトニックのサビ、なんだろうか?
この曲は転調も多いし、テンションコードも多い。「硬質な甘美」。
再び増4度が出て来るのはアウトロだけど、この時のルートは G。直前のコードが DM7 だから、これをドミナントと読み替えてるのだろうか? DM7 の長7度の cis がそのまま次の G 上の増4度として引き継がれるのが美しい。
「1980年代に馴染みの無い者にとっては厳しい」
「リフ主体、白玉コード、質感重視」が1980年代の音楽の特徴、と言ってるのではなくて、そういうコンポジション的に見るべき点の無い曲を「好き」になる理由は、曲内容よりも「世代的馴染み」だったりするのかな?という意味です。
「More Cowbell」
これです:
Blue Öyster Cult '(Don't Fear) The Reaper' レコーディングをコメディ・スケッチに仕立てたもので、2000年04月08日の『サタデイ・ナイト・ライヴ』で放送された。
文字起こしがあった:
ロキシーで私が「かっこいい!」ってなったのは、'Do The Strand'。
イーノが抜けてロキシーらしくなったロキシーは、聴き方が判らない。
ただし 'Do The Strand' については、イーノ在籍時のスタジオ・ヴァージョンではなく、"VIVA!" 所収のライヴ・ヴァージョンに限る。歌詞に 'tango' 'waltz' が出て来る箇所で一瞬リズム・アレンジが変わるところが好き。陶酔的なまでの勢いがあるし。