こちらの御記事
を拝見して、11月16日が「録音文化の日」と知りました。
御記事がお取り上げになった作品ラインアップに全く異論はありませんが、私がこのお題で真っ先に思い浮かべるのは White Noise "An Electric Storm"(1969)です。
「ミックスダウン」の過激さで際立ってるんですが、それも広義の「録音」に含めさせて頂いて。
ひとくちに録音が優れてるといっても、たぶん2つの方向があって、
①「記録」としての録音に徹して楽器の音を正しく捉えるとか、最適のミックスバランスを見つけて固定するとかの方向、例えばカーペンターズの録音の完璧さ。
②単なる記録ではない積極的な「表現」としての録音技術、例えばビートルズ「サージェント・ペパーズ」。
White Noise "An Electric Strom" はもちろん②で、卓のフェイダーやつまみが常に動いてる、アクティヴでダイナミックでアグレッシヴなミックス。
それ自体が表現というか、音楽性の豊饒と、録音・ミックス技術の駆使とが、幸福に結び合ってる。
歌モノの形式でヴァースとコーラスを繰り返す場合でも、毎回各トラックの音量やイコライジングやパンやエフェクトのデプスの設定が変わってる、「ミックスによる変奏」とでも言いたいような。
アナログの手作業ゆえに貴い。
私アメーバピグの音楽フロアでこのアルバムから好んで掛けましたが、あそこは9分59秒が1曲の長さの最大で、いちばん好きなこの曲が掛けられませんでした。
あと、やはりこれも。1982年。