音楽と感情との間に関数は存在しません。
音を持続させるとか、その持続をクレシェンド/ディミヌエンドさせるとかは、感情ではありません。
この基礎実験の冒頭部分は、強さも長さも等価の「点」が集まって持続を作ってます。
点の集まり方の「粗密」がすなわち「強弱」です。
続く部分について。
当初やってたのは、
同じ高さの持続音のパートを幾つか重ねる、
それぞれのパートは、相互に没交渉に、それぞれの周期で規則的に強弱が変化する、
部分の単純な変化を重ねて全体の複雑な変化を得る、
だったのですが。
ここでは、5つのパートに、倍音列の第6、7、9、10、11の音高の「純音」を割り振ってます。
出力してない基音が聴こえてきます。
全体として、この基音の持続として聴こえ、倍音の混ざる割合の時間的推移が、持続音の「音色」の変化として聴こえます。
あと、この5パートのセットを、左右に各1セット定位して、それぞれ固有の強弱変化をするので、「定位」の移動としても聴こえます。
要するに、今回試そうとしたのは、強弱法を感情表現から解放すること、です。
「強弱」ではなく「音量」ではないか?とツッコまれそうですが、音楽の要素として考えてる以上、あくまで「強弱」です。