メモ(ギター・ソロ)

私がギター・ソロを聴かないのは、世のギター・ソロの大半が「単旋律」だから。 もっと正確にいうと、ギター・ソロのために設けられる § が「メロと伴奏」のホモフォニーで出来てるから。 だから、いまの若い方たちがギター・ソロをスキップなさるのとはおそ…

サブドミナントを中心とする和声

ふと、「リディアンで書く」ことと「イオニアンのサブドミナントで書く」こととは違うのだ、と思う。 「トニックを中心とする長調の和声において第4音をシャープさせる*1」のと「サブドミナントを中心に和声を考える」のとの違い。 後者の例をいくつか。 6'4…

野木青依(のぎ あおい、マリンバ即興演奏)

今回のあらすじ 音楽映像作品「にいはまの音×マリンバ『マリンバ・ネリネリ in にいはま』|野木青依 Aoi Nogi」の 8'17" ~ 8'31" の、鉄屑の火花のカットを見て、全てを悟った。 思いつきで、ぐるぐる移動しながら演奏しています。楽しい…#無為フェス #北千…

続・リヴァーブ

今回のあらすじ ①ごく若い頃は長く深いリヴァーブを欲した。のちにそれをやめた。その理由。 ②「Pre Delay」の問題。 ① 前回、KORG 01/WFD の内蔵エフェクタについて、そらで書いてしまったために、不正確なところがありました。 現物に当たって書き直します…

リヴァーブ

ごく若い頃、自宅の洋間でマイク録りしてた。 アクースティックなリヴァーブが欲しかった。吸音するものを全部外に出して、あるのは生ピアノとアンプだけ。私自身の身体も「吸音するもの」なので、シンセやギターは、アンプからケーブルを延々伸ばして、隣室…

猫と民謡

猫の写真はその後いくらか撮ってるんだけど、猫との関係が「撮る撮られる」から始まることに、違う気がして来た。 信頼関係を築くのが先で、写真を撮るのはその結果付いて来ることの筈だ、と。 初対面の猫にカメラを構えて近付くのは、民謡を取材するために…

間テクスト性

これの 2'23" 右チャンネルのギターのひとふしが、 これの 0'32"「同じのれんの」にきこえる。 「かに道楽」 作詞:井野上のぼる 作曲:キダ・タロー 歌:デューク・エイセス "Meddle" のリリースは1971年。「かに道楽」がいつの作曲か、調べきれなかった。 …

移動パン屋さんの音楽

拡声器からのエレクトーン音楽が空間内を移動して、フェイド・インして来た。 私は一般に物売りの拡声器の音が嫌い、というか、音そのものが嫌いという以上にその強迫性、自分の都合を相手に許容させて平気でいる無神経が嫌いなんだけど、この、お伽の国から…

写真と音楽

目にもとまらぬ早業で 投げる手裏剣あなたが恐い そっと瞳をそらした と書いて、「はっとり」繋がりだ、と気付く。 さて、常日頃「音楽の自律」ということを言って、他の方法に置き換えること(音楽の方法で言ってることを絵画の方法でなぞるとか、詩の方法…

意識

複数弁によってメロを作ると、倍音列はメロとしてより音色として意識される。各弁を基音とする倍音列のメロを行き来して「転調」ないし「コード進行」させることも可能だろうか? https://t.co/TyLJXXHgJY— 新海智子 (@coccyx_T) November 18, 2018 mobile.t…

メモ

画像と本文とは無関係です。例えば「音楽は感情表現の手段である」というこじつけの言説を、人はどういう機会に聞かされ、なぜ鵜呑みにするのか。 単に「それはこじつけだ」と言挙げするんじゃなく、いちど検証してみる必要がある。 こじつける心理、それを…

「間(ま)は『あける』ものではなく『つめる』もの」というフレーズを読んだことがある。邦楽演奏での話。武満の対談集のどこかだったかも知れない。 お能の鼓で、「イヨウ」と声を発してから鼓が「ポン」と鳴るまでの「あいだ」が重要で、「ポン」と鳴った…

美術の時間

西芳寺庭園(夢窓疎石作)「100種類以上といわれる苔は夢窓疎石の時代からあったものではなく、今のような苔庭になったのは江戸時代も末期」(ウィキ「西芳寺」>「庭園」)芸術作品は、時間に抗い、作者の意図通りの姿を永遠に留めようとしますが、逆に時間…

間を詰める

「退屈の対義語」、これが「音楽」の定義にも出来そう。 私が「間を詰める」という時、これは音楽的な「意味」の密度を上げること、意味で時間を埋め尽くすことであって、物理的に音の密度を上げること、単位時間当たりの音数を増やすことではない。 のでは…

偶然とアンサンブル

サディスティック・ミカ・バンド「墨絵の国へ」での、歌詞の朗読パート×2って、 ① 録音時、他のトラックを聴いておらず、あとで編集もせず、偶然の齎すタイミングの「ズレと噛み合い」だけを尊重してるのか、 あるいは、 ② ある程度は他のトラックを聴きなが…

卓パート担当

「『2本の左手のためのソナタ』という曲のタイトルを思い付いた」という御ツイートを拝見して、面白いと思った。 加えて、私は別のことも思った。ギターなどの、右手と左手の役割分担の明確な楽器の場合、「1本の右手と1本の左手のためのソナタ」もあり得る…

聴きの現場

曲を聴くという行為が厄介なのは、大きく分けて少なくとも2つの別々の聴き方が同時に進行するから。 まず、曲を理解するための「聴く」が進行してる。曲に即して聴く。作曲者の意図に沿おうとするにしても、鳴ってる音を鳴ってるままに聴こうとするにしても…

Sly And Robbie、Bill Laswell

Sly And Robbie のベーシスト、Robbie Shakespeare が12月08日に亡くなった。 この過去記事を投稿した当時、アメブロで Rendezvous 6:02 氏から丁寧なコメントを頂戴し、いろいろご教示頂いた。 私は Sly And Robbie をたまたまこの 'Boops (Here To Go)' 1…

Peter Gallway 'The Make Believe Mambo'

ふだん聴きつけないジャンルの、アルバムに1曲だけそのアーティストにしては異質な曲が入ってて、その1曲だけ好きで、なんか筋違いな好意で申し訳ない気になる例は、いろいろある筈だけど、まず思い出すのは、これ。 8曲目(27'22" ~ 31'52")、'The Make Be…

長調

音楽は長調で書くもんだ — 新海智子 (@coccyx_T) November 23, 2021 とツイートしつつ、なーんも考えてなかった。 信念の表明ではない。命題として立ててみた、というに近い。 省みるに私は長調の曲が圧倒的に多いなあ、くらいの感想からだったんだけど、そ…

金星の最大光度とアルキメデスの支点の追求

そういえば今日12月04日、金星の最大光度(-4.7等)なんだった。当分の間、ギラギラに明るい宵の明星を見ることが出来る。 金星が最大光度になるタイミングは面白い。位相として「満月みたいに真ん丸」の時でもないし、地球から最も近くなる時でもない。 位…

耳を澄ます

曲を再生し始める瞬間というのは大事な瞬間で、アーティスト的にも曲の始め方は重要視するわけで、音楽を冒頭から完全に聴こうと耳を澄まし全神経を集中させてるところに「吉野家」とか「楽天なんとか」とか喚かれたり「なんだしなんだし」とおちゃらけられ…

音高を固定する

音高を固定する。 Ⅰ 音場旋律 様々な録られ方をした A。 コンサート・ホールで、間接音多めに録られた A。 デッドな部屋で録られた A。 野原で、森で、街中で、録られた A。 エフェクターを通した A。 既存の録音物、オーケストラと共演したソロ・パートのメ…

わくわく音名フォーマット

夢で、廊下に積もった桜の花びらの処理方法を問われ、思い付いたのが「同量の梅の花びらで中和する」だった。 さて。 Ⅰ 他人様の御ブログで、フォーマットを決めて、1記事につき1アルバムを、ジャンル万遍に紹介するものに遭遇すると、私にはとても出来ない…

下書き放出

こういう下書きをしてた。以下。 ブロガーはなぜ下書き保存をするのか? 何が起きたら、下書きが下書きを脱して投稿されるのか? 私は時々「下書き放出」「メモ」と題する投稿をする。「真っ当な一記事には足りないのですが」というエクスキューズである。 …

メモ(マス・ロック)

「2オクターヴは24フレットで正しいんだっけ?」と一瞬迷ってしまった。 「度数」の感覚のせいだ。同度を0度といわず1度という、不合理。 何故こうなんだろう? もしかして、西洋の数学が「0」について臆することなく考えるようになったのが、インド数学が発…

Spirit 'Taurus'

Deep Purple 'Child In Time' が It's A Beautiful Day 'Bombay Calling' からの引用なことと、当時の「楽曲が権利を超えてみんなのものだった」ロック・シーンのありようの例のいろいろ、をご教示頂いて、思ったこと。 ある楽想を曲の形に紡いでゆくという…

【お題4】10年で変わったこと・変わらなかったこと

はてなブログ10周年特別お題「10年で変わったこと・変わらなかったこと」 「多様な価値基準を持てること」は格好良いことではあるが、私は、私の審美眼が鋭くあるために、「何を好きか」と同時にそれ以上に「何を嫌いか、許容できないか」を明確にする。それ…

夢の欠片・続

前回の記事で書いた、忘れた夢の断片を、今思い出した。 付点に関するやり取りのシーンだった。 今しがたの夢の中で、小山景子氏「春の丘」の歌メロ中の逆付点についてのシーンがあって、これをきっかけに思い出した。 で、思い出したシーン。 あるフレーズ…

見ずに聴く 2

前回のこれを手短にいうと、発音源を見ながら聴くことは、「何の音か」を聴くことで、見ずに聴くことは「どんな音か」を聴くこと、といえるでしょうか。 聴覚のみに頼って音そのものを聴く時、これを何が発してるのか、ギターなのかツィターなのか、あるいは…