2020-01-01から1年間の記事一覧

The Enid

夢をワンシーンだけ憶えてた。 「YES の音楽を、バスクラリネット奏者の視点ではなく作曲者の視点で捉えると、昔の知り合いの発言が思い出されて腹が立ってくるラジね」 というツイートに 「『サード』と『こわれもの』がイエスの中核であることは確かです」…

Art Bears、Cosmos Factory、武満徹

邦題「哀しみのイヴェール」。私の勝手な記憶では、センチメンタリズムに溺れるイメージだったんだけど、改めて聴き直すと、ぎゃくに醒めてる。厳しく選ばれた音を、コントロールされた音程・強弱・テンポで、正確に置いてゆく。 「タイトルに『冬』を含む作…

Lacrymosa、Katra Turana

いやあびっくりした。 Lacrymosa 'Vision Ⅳ' の1994年ライヴ。Chihiro S. 氏のチャンネルが今年6月にお上げになった、氏ご本人による編集と音声リマスター。いま見付けた。 音質の良いのにも驚いたけど、とにかく演奏が完璧。緻密で丁寧なのに、勢いとノリが…

ELP、After Crying

そういえば叔母の書斎には ELP が1枚も無かった。何故だろう(判る気もする)? 私自身、ELP で、ほとほと感心したことはあるが、満ち足りたことは無い。 ELP の特徴は、①ここはクラシック、ここはジャズ、とくっきり還元できる、要素の取り入れ方の「身も蓋…

ポール・マッカートニー

「子供達に音楽を教えるにはどうしたらよいか」という質問にポールマッカートニーが「僕ならこうする」とピアノで作曲に必要な最小限のコードだけ教えるのさすがなんだよなギターもそうだけど決まった曲しか弾けなかったり機械的に覚えさせられてるだけだと…

パーツからの発想

ふと思い出した。 塩ビ管継手90° 小学1年生の私は、住宅の建築現場に 塩ビ管継手90° が1個転がってるのを見掛けて、そこから秘密基地建設を夢想する奴だった。いくつかの部屋を配管で繋いで、メンバーがそれぞれの持ち場に居ながらにして物のやりとりが出来…

何かの隊列

先日この記事 で、Kraftwerk 'Schaufensterpuppen' と Faust 'Krautrock' について書いた。つまりはビートはありつつ拍子が解体されてる音楽なわけだが、そういうのはミニマルやポリリズムの方から突き詰められてそうだし、クラウトロックでいっても、例えば…

テニエルの『アリス』の彫版師、Dalziel 兄弟

Somewhere between an actual mare in the night and absolute #NightmareFuel. Happy #Fridaythe13th! Laurede (French, late 18th century), engraver. The Night Mare, 1782. pic.twitter.com/nmpoL5EjNu — The Metropolitan Museum of Art (@metmuseum…

Robert Wyatt 'Muddy Mouse' と Henry Cow 'Nirvana For Mice'

Henry Cow "Legend" は1973年の録音、リリース。 Robert Wyatt "Ruth Is Stranger Than Richard" は1974~5年録音、1975年リリース。 "Ruth Is Stranger Than Richard" のB面*1の曲の並びは、 1. 'Muddy Mouse (a)' 2. 'Solar Flares' 3. 'Muddy Mouse (b)' …

コンポジション、Henry Cow

語義の「恣意」や「曖昧」はもちろんいけない。 でも、言葉は本来多義的だ。文脈が意味を限定する。同じ言葉を文脈に応じていろんな意味で使うことは「多義性」であって「恣意」でも「曖昧」でもない。 この言葉をいまこの文脈で、したがってこの意味で使っ…

Kraftwerk 'Schaufensterpuppen'

もし冒頭に「1, 2, 3, 4」とカウントが入ってなければ、この曲は拍の表裏が判らない。作曲者にその自覚があるから、カウントを入れたんだろう。 「Kraftwerk に於ける《グルーヴ》」を問題にし始めるといろいろ深いんだろうけど、少なくともこの曲にはグルー…

鈴木美夏さんのピアノ音楽

鈴木美夏さん(みかちゅう @SoundMika)のピアノ・ソロのアルバム。 静謐な音の森のなか歩みを進めるみたいに、次から次へと透き通った音の出来事が現れるの。 一瞬一瞬が瑞々しい。私はやっぱりディテイルとニュアンスの音楽に包まれる時が心地良いんだ。 …

ふくしひとみ さん ②

妻のシタール練習、二日目の夜には、ドラムを使ってひとりセッションをしていた。以前どこかで誰かに言われたのだが、まさに習得、応用の鬼。 pic.twitter.com/meWE9RkgJS — 戌一(いぬいち) (@inu1dog1) 2020年7月25日 演奏なさっているのは、ふくしひとみさ…

タイトル付け

知人の曲のタイトルに 'Blocks & Clay' というのがあった。中国の民族音楽風だったので、私は当初、石材と粘土で造られた建物群、中国の田舎の風景を描く「標題楽」なのかなと思った。 あとから知った。原題は「ブロック遊びと粘土遊び」で、英語のタイトル…

Genesis "The Lamb Lies Down On Broadway" まとめ

Genesis "The Lamb Lies Down On Broadway" は1974年11月18日にリリースされました。 過去記事を、加筆修正の上、3つ。 shinkai6501.hatenablog.com shinkai6501.hatenablog.com shinkai6501.hatenablog.com

「も」と言ってしまう日本語

これは飽くまで私個人の修辞感覚に照らして、なんだけど。 藤子・F・不二雄がジャイアンに言わせた 「おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの」 は、ジャイアニズムを端的に言い表す名フレーズであるに違いない*1。意味内容においては。 だが私は…

終わりの始まり

日の出前。 東の空の光に嬉しくなる。 振り向いて西の方、その光を受けて、暗い空をバックにオレンジ色に浮かび上がるビル群も、この時間帯ならではのヴィジュアル。 ただ、東の光には「ほっとする」が、西の光景には「ぎょっとする」。終末感がある。街が静…

#ベースの日 2020

ポピュラー音楽の分野で「リズム隊」という用語が罷り通っていることは、リズムにとっても、ベースにとっても、不幸だ。 「リズム」という語は誤解を生みやすい。「ミーター(拍子)」と混同されたり、「リズムパターン」のことだと思われたり。 私は、誤解…

Pink Floyd 'Breathe (In The Air)'

私のプログレ入門はピンク・フロイド『狂気』だった。 'Breathe' の Em→A のコード進行に感動した理由のひとつを思い出した。Em の「g、h」と A の「a、cis」がともに長3度で、ボトルネック奏法で繋げられる。この、演奏上の都合から発想されたとも、純粋に…

メモ(星野写真)

ソフトフォーカスフィルターを使って星野写真を撮るとはつまり、星の「明るさ」を星像の「大きさ」で表現することなので、本来「点」である星の表現として引っ掛かりを覚えもする。でもこのほうが肉眼での印象に近い気もする。 「星座写真」としてなら、輝星…

メモ(版画、吉田博)

版画って好き。異様に好き。押しあてられて生まれた線や色ってなんでこんなに人間からさらりと離れていくんだろう。吉田博展を見ました。子どもの頃こんな世界にいた気がする。満たしている光や空気と、うねうね渦巻きドキドキさせたり不安にさせたりする光…

「牧神の午後への前奏曲」の最後の小節

「牧神の午後への前奏曲」を終止線まで収録したCD を聴いたことがない。 最後のページ。 ここ(練習番号⑫)は、12/8拍子。 最後の小節に音符があるのは、チェロと、コントラバスと、前の小節からタイで持ち越されて来た、フルートと、サンバル・アンティーク…

空耳とは何か

まえに、ピグパズルの BGM を、PC 本体のスピーカで最小の音量で聴く、と書いた。低音が欠落し、和声が判らず、主メロだけのその状態で聴くと、調性とアレンジが想像で補われて、別曲に聴こえ出す。 オリジナルはこうなんだけど、 例えばこう聴こえる。 オリ…

思い出した!イヤーワームの出典

かねて折に触れ脳内で鳴り出すヴォーカルラインの断片があり、その出典が思い出せずイライラしていた。さっき突然思い出した。 南アジアのどこかの民族音楽だろう、と目星をつけていたのだが、まず最初に降ってきて、「思い出した!これだ!」となったのは、…

夢 2020年10月29日

どこからどこに向かってるのだったか、海岸沿いのコンクリートの防波堤の上に出る。三陸海岸のどこかみたいな岩場に張り付いて続くそのキャットウォークは高低差を含む。右手=海側を見やると、ちょっとアクセスに工夫の要りそうなエリア(そこもコンクリの…

暗譜

譜面は、書けるけど、読めない。 「私は譜面が苦手」と大括りに思ってた。でも腑分けすると、書くのは苦痛じゃない。ふだん書くプロセスを飛ばして直にキーボードに向かって打ち込むけど、書けないわけじゃない。必要に迫られれば譜面に起こす。 「書く」に…

夢 2020年10月26日

最深部まで降りる。上に引き返す時、構造を攀じ登る。エネルギー的にも筋肉疲労的にもきつい。完遂ぎりぎり。「最深部を作るということはそこと行き来するエレベータを備えてある筈なのに、自力で攀じ登ってバカみたい」とひとりごつが、そう話し掛ける相手…

死ぬのはいつも他人

「死ぬのはいつも他人」。 これ、第1には「生き残ってるからこのセリフを言えるんだから当たり前」というツッコミ待ちぐらいに思ってるけど、第2には、死にたがってる人のセリフ、ないし「もし死ぬべき順番があるのなら真っ先に死ぬのは私の筈なのに」かも。…

夢 2020年10月22日

そういえば今朝の夢が具体的で入り組んでてリアルで面白かったんだけどメモしなかったのであらかた忘れた。 電車で神戸に向かう*1。今回の用事の場合 JR じゃなくて、ああやはり今乗ってるのは山陽電鉄だ。運賃高いけどいいや。 カラチ出身の乗客「『神戸』…

メモ(ランダムなリズム)

うちの冷蔵庫には冷凍室が無く、冷蔵室の一角に製氷コーナーがある。 霜が付くので時々霜取りをする。電源を切って、自然に溶けるのを、下のヴァットで受ける仕組み。 滴がヴァットを打ち、トン、トン、と音がする。「冷える板」(名称知らない)の下面は水…