Fairground Attraction、Mark Goldenberg、Gustav Mahler

Fairground Attraction の 'Fairground Attraction'。

Fairground Attraction は、ジャズ路線とフォーク路線の2本立てなところが Everything But The Girl に共通する、と思ってました。

↑の 'Fairground Attraction' はそういう定型に収まらなくて、ユニークさで印象に残ります。メロや和声に絶妙の陰翳があるし、アレンジ(楽器法や、リヴァーブの深浅による奥行き)に創意がある。

 

連想で。

Mark Goldenberg 『鞄を持った男(L'Homme À Valise)』 所収。

動画の説明に、サントリーローヤル「ガウディ編」の CM に使われた旨書かれてます。

これか。

こっちのアレンジのがいいじゃん。

Aメロのヴォイシング中の、クロマティックな下行が、この曲の怪奇な味わいのキモだと思いますが、これが、アルバム・ヴァージョンではハープシコードで奏される。ヴェロシティ的にアタックが目立ちサステインが弱いことと、音色的に倍音構成が複雑で基音の音程を見えにくくすることが、ヴォイシングを不明瞭にしてる。CM ヴァージョンの音色とサステインによるほうが、ヴォイシングを示すことのためにはベターです。

 

シリーズでいろいろある。この曲も『鞄を持った男』所収。

 

私はマーラー大地の歌』はショルティシカゴ交響楽団で聴きましたが、これは別演奏。

こちらの御記事

によると、ジュリーニベルリン・フィルテノールはフランシスコ・アライサ。

ショルティだと、ザッハリヒでドライでシャープであり過ぎて、CM の趣旨にそぐわなそう。

 

サントリーローヤルの CM は4本シリーズだそうで、4つ目「ファーブル編」は30秒ヴァージョンがつべにあるけど、省略。ちなみにこれも音楽は Mark Goldenberg。

アルバム『鞄を持った男』は、日本の Kitty Records からリリースされたもので、全12曲中サントリーの CM 関係の曲が5曲を占めます。先に CM があって、アルバム用にアレンジし直された、という順序のようです。