Markus Klinko(ハープ)

 私、ドビュッシー「フルート、ヴィオラ&ハープのソナタ」はナッシュ・アンサンブルを推してるんだな。妥当だけど。

 

Markus Klinko もアリだと思う。

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ハーピスト Markus Klinko がパリ・バスティーユ・オペラのオケのソリストたちと組んで、ドビュッシーラヴェル、サティ、フォーレイベール室内楽曲を入れた1枚。1993年。ジャケかっこいい。

「フルート、ヴィオラ&ハープのソナタ」を買い漁ってた時期があって、この CD は吉祥寺ディスクユニオンで中古盤を偶然見掛けて、予備知識なく買った。当たりだった。曲を正しく聴ける。

つべにこの演奏のこの曲は上がってないっぽい。同 CD 所収、ラヴェル「序奏とアレグロ」は上がってる。

CD 1曲目が「序奏とアレグロ」だった。冒頭のワンフレーズだけでもう、クラリネットの強弱法が、積極的に攻めてて、活きがよくて、びっくりした。

曲そのものはラヴェル中の最高作ではないけど。

この動画は、別カップリングの CD からのようだけど、同音源と思われる。

 

追記(2019年01月23日)

「フルート、ヴィオラ&ハープのソナタ」については、工藤重典(フルート)、ジェラール・コセ(ヴィオラ)、マリエル・ノールマン(ハープ)による名演、名盤(1983年録音、1984年リリース、エラート)がある。曲を正しく形にしてるし、アンサンブルとして奏者間の呼吸の合わせ方が活きてるし、柔かく色彩的な雰囲気に事欠かない。録音&ミックスが、間接音豊かで、広すぎないっぽいスタジオの音場感、高域が抜け過ぎない穏健なリヴァーブが美しい。

ところが、全く不可解なんだけど、1か所、工藤が譜面通りにやってない。練習番号 [10] の第10小節、第2楽章のフルートの

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」の音。これは「ダブルシャープ」なんだけど、なぜか半音低い「シャープ」でやってる。次の「ミ」に半音下から進行する妙味が失われて、致命的に別物になってる。この12小節後の同じ音形でもやはり「シャープ」。

この「玉に瑕」さえなければ、この曲の代表的名演として、全力で推すところ。

実際の音でいうと、↓の8分29秒目、9分03秒目の箇所。

この動画の演奏は、Osian Ellis*1(ハープ)、The Melos Ensemble。1962年録音。

てかこの演奏でいいじゃん!

 

ちなみに1984年エラート盤には「神聖な舞曲と世俗的な舞曲」が入ってる。この曲の弦はふつう弦楽オケでやるわけだけど、この盤では各パート1名ずつの室内楽スタイルで、響きが透明で非常に好ましい。

*1:私個人的に、ブリテン「キャロルの祭典」、Sir David Willcocks / Choir Of King's College, Cambridge 盤でハープを弾いてる人として重要。