例えば、アフタータッチで音高を作る。いちばん押し込むと1オクターヴ下がる設定にする(1オクターヴは、設定できる最大)。
「a」のキーを押すと、押し込みの真ん中で「es」の高さになる。この高さを出来るだけ正確に保つ努力をする。
これを、アフタータッチの影響を受けない音色で弾いた「es」の持続と重ねる。この場合「高さを出来るだけ正確に保つ」とは、具体的には「重ねた2つの音の作る《うなり》の周期を出来るだけ長くする」ことである。
生演奏で、2人の奏者がぴったり合わせようと努力する結果生じるズレが「心地良い」。
キーボードだと音高がぴったり合ってしまう。打込みだとタイミングがぴったり合ってしまう。これを物足りないと感じた時、意図的にズレを作ることに意味があるか?
パート毎に設定を変えて、音高についてセント単位のデテューンを使うとか。タイミングについて「24」のステップタイムを「25」や「26」にするとか。
「ズレる」心地良さを「ズラす」ことでシミュレイトする。それは「心地良い」か?
音高については、上述のアフタータッチの設定のように、合わせにくい状況をわざと作ったうえで合わせようと努力すること、「生に近い」状況を作ること、のほうが、数値によって「ズレ」をシミュレイトするよりは、まだアリなんじゃないか?
タイミングについては。
Lake of Madder 氏の新作。まだテスト段階のようですが、私には完成作品に聴こえます。
「PatchblockとPO-12はシンクロさせてません。手動です。自動で合わせることが大嫌いなので。最後ズレます」
「ツマミで微調整しながらテンポ合わせてます。勿論ぴったり合いませんが、バンド演奏のようで好きです」
とのことです。
じじつ心地良い。