メモ(またぞろ叔母の書斎の思い出話)

中村雄二郎『述語集』は、叔母の書斎にあったから読んだのでした。

(以下、記憶は曖昧だし、引用は不正確です)

その中の1項目「劇場国家」は、ギアーツ『ヌガラ:19世紀バリの劇場国家』についてなのですが、項の終わりで、矢野暢『劇場国家日本』に触れ、矢野が「劇場国家」という重要なタームのコノテーション(含意)を不用意にズラしてる(狭めてる)、と批判していました。

そのくだりはよく知られているのでしょうが、あと、叔母の持ち物の『述語集』のこのページには、矢野による短いコラムの切抜き(新聞?)が挟まっていました。

曰く「友人から『述語集』に君の名前が出てると聞いて読んでみた。ははあなるほどと思った。ギアーツを歪めた、いわば悪者として出て来る」

続けていくつか反論したあと、決定的な一文で〆ていました:「私の『劇場国家日本』は、実はギアーツと示し合わせてやったのだ」

 

先ほどこの御ツイをお見掛けしました。お話の内容は私には難しすぎるし、リンク先の英文の記事は私には読めませんが、ふと上の逸話を連想したので、メモしておきました。

 

私の教養がものすごく偏ってるのはつまり、たまたま叔母の書斎にあったものだけ読んだから、です。