歴史に残る有名なフレーズとかではなく、むしろ些細な小節なり楽節、メロディやアレンジが、どういう経緯でか印象に残ってる、ということがある。
これ
の2分57秒目~もそう。
もともと私はロック・ファンというより、ロックの中にプログレ要素を見つけて喜んでた。
『黒船』も、"Quadrophenia" も。
'Cut My Hair' の件の箇所は、アルペジオとヴォーカルラインから Genesis を連想してた。"Quadrophenia" と "The Lamb Lies Down On Broadway" の共通点って、2枚組コンセプトアルバムなことと、ジャケがモノクロなこと以外無いけど、件のアルペジオのディレイから 'Back In N.Y.C.' を連想してたかも知れない。質感的に*1。
ちなみにこの曲のリード・ヴォーカルはタウンゼンド(コーラス部分ではドールトリー+タウンゼンド)。
Haircut 100 聴いたことなかったので何曲か聴いてみた。ぜんぜん悪くないけど、貼らない。それよりもつい先日、プルーンの日(3月26日、というか毎月26日らしい)に初めて聴いてのけぞった Virgin Prunes を。名前でしか知らず、ラフ・トレードの有象無象のワンノヴと高を括ってたのが迂闊だった重要バンド。
アルトーに傾倒してたらしい。
あ、こっちだった。
武満徹『鳥は星形の庭に降りる(A Flock Descends into the Pentagonal Garden)』(1977年)作曲の契機。
「マン・レイがデュシャンの頭部を撮った写真です。彼の後頭部は星形に剃ってあるんですね。その写真を見た夜に、星形の庭の夢を見たのです」
「無数の白い鳥が、その星形の庭に向かって舞い降りていくんです。ところが、その中に一羽黒い鳥がいて、それが、群れをリードしていました」
「目醒めた時、その風景がとても音楽的なものに思われて、これを音楽にしてみたいと思ったんです」
――「夢と数」『夢と数―音楽の語法』
私は、伸ばしすぎるとヴォリュームが大変なことになるので、二千九百丈にとどめている。
*1:追記 2020年11月17日
キーボードのディレイの感じは Camel 'Preparation'("The Snow Goose" 所収)に近いかも、と気付く。"Quadrophenia" は1973年、"The Lamb Lies Down On Broadway" は1974年、"The Snow Goose" は1975年。