2ショット

一時期、中村有沙さんが本当に好きだった。プラズマ界アンダーワールドの女王様だった頃。

 

基本、グラヴュアって、カメラレンズ=読者の眼で、アイドルと読者とが1対1で見つめ合うものだと思うんだけど、あるアイドル雑誌のある号のグラヴュアが、中村有沙×飯田里穂、キャストが2人の企画で、どう向き合えばいいのか、戸惑った。

 

「撮る」ことは、「撮る・撮られるという関係を結ぶ」ことだ。

ふつうのグラヴュアは、撮る人1人、撮られる人1人、関係者は計2人。

2ショットは、「"2"ショット」というけど、撮る人1人、撮られる人2人、関係者は計3人。たんに2人から3人に増えて関係が複雑になるというだけでなく、中村有沙飯田里穂が1対1でじゃれ合う関係と、その2人と河野英喜との間の「撮る・撮られる」関係、2つの関係を同時に成立させる、という高次の構造だ。

 

戸惑いつつ、この企画の意義がどこにあるか、考えたのだった。

このアイドル雑誌は「U-15限定」がコンセプトだった。

ジュニアアイドルには作為的なポーズをさせるべきではない、自然な表情を引き出すことを大事にする、という姿勢だった気がする。

2ショット企画は、カメラを意識から外させて女の子同士じゃれ合わせて「素」の表情を引き出して捉える、という意義がある、というのが私の結論だった。

 

にしても、私とありちゃんと、お互いを認識し見つめ合う設定ではなく、私を意識していないありちゃんを傍から見てる設定、これは「窃視」だろうか?