目覚めた時、「絶望」に近い気分に支配されてることがある。
何が絶望させてるのか、何への絶望なのか、説明のつかない、でもどうしようもなく救いのない気分。
普段、無意識は気付いてて、でも押し隠してる、人生の実相が、目覚め直後の、鋭く澄んだ意識、ディフェンス・メカニズムを外された無防備な意識を、ストレイトに襲う、というような。
例えていえば。
肉親、恩人はいつまでもこの世にいるわけではない、というのは厳然たる事実だけど、普段意識してない。ぎゃくにこれを切実に実感することの方が難しい。この厳然への明確な認識が、寝覚めの隙を突いて、急襲する。
というようなこと。
でももっと、具体的な原因の判らない、絶望。
ついでにいえば。
この気分の正確な記述は難しいんだけど、「自殺」と結びつけて示唆できる気がした。
自殺はメッセージだ。それを伝える相手をこの世に残し、必ず自分が先に死なねばならない。
私は自殺をずるずると延期してきた。そうするうち、メッセージを伝える相手、私より1世代上の者たちが、老いに差し掛かった。
彼らが先に死んで、私一人が残された状態で実行する、自殺。
どこまでも虚無ゆえに、どこまでも苛烈。前述の「絶望」は、この感じに近いかも、とふと思った。