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コンクリートミキサー系

音楽

マンション建設工事がすぐお向かいで始まり、自室でその音を聴いていた。音でだけ聴いてるので、何の工具をどう使って出してる音なのかは判らなかった。

 

数人で槌を打つ音。1人の作業者にとってはトントントンという単純なビートだが、各人がそれぞれのBPMで数人重なって、モアレ的な複雑なリズムを生んでる。

 

ブーーーンという低音の持続音を出す機械。私は勝手に、コンパネの間に流し込んだコンクリートを隙間なく詰めるために振動を与えるヴァイブレーターなのだと想像した。コンパネに接触すると、コンパネを共鳴させて、大きな音になる。押し付けると音のピッチが下がり、コンパネの固有振動数に近付いたり離れたりして、うなりが生じ、その周期が変化する。

 

コンクリートミキサーの回転とおぼしき、ゥウイィン、ゥウイィンというリフ。リフといっても、おそらく中のコンクリートの状態の変化で、節の、長さや、アクセントの位置が、微妙に変化してゆく。

 

これらの音源が、約20㍍四方の空間に配置され、近くの音はオンに、遠くの音はより深いリヴァーブを伴って、自室に届いてきた。トータルとして、交響曲みたいだった。

 

 

私の思う音楽のカテゴリーで「コンクリートミキサー系」というのがある。

カテゴリーといってもごく緩い基準で、音が、どのタイミング、どの音量、どの音高、どの音色で鳴るかを、作曲技法に随わせてではなく、音の物理に随わせて決めるような音楽、というか。記譜としてはキメキメじゃないが、じっさいの空間の中で条件がこうだと音は必然的にこう鳴るよね、という物理への沿い方は厳密、というような。

この呼び名が浮かんだのはスティーヴ・ライヒの 'Pendulum Music' を聴いた時で、それまで私の関心の中心に無かったこの作曲家が、俄然切実に重要になった。

音でだけ聴いてて、どうやって作ってるのかは全く判らないまま、出音の感触だけから「これはコンクリートミキサー系だ!」とか言ってたが、最近ある方からライヴ動画を教えて頂いて、もうまさにまさに。

www.youtube.com

 

同じ方から、もうひとつ教えて頂いた。

www.youtube.com

Gordon Monahan "Speaker Swinging" の LP については、SHE Ye,Ye さんのサイト

www.sheyeye.com

で視聴させて頂いていたが、ライヴ動画で、圧倒的に納得した。