メモ(プログレ)

(2015-12-02 記)

 

 

1970年にプログレッシヴ・ロックという言葉が発明されたことが、その後の流れを捉えるのに役立ったか、さらに積極的に、ぎゃくにこの言葉が流れに影響したか。

 

もしこの言葉が生まれてなかったら。

私個人としては、それぞれの個性が、1アーティスト1ブランドで、好き勝手やるのがいちばん正しいと思う。

プログレ」というのは、他のあらゆるレッテル同様、ビジネスのためのタグ。

この言葉が生まれた時、この言葉に捉われて、プログレをやり始めてしまった者は、プログレじゃなかった、ということ。

 

この言葉があることで、創意に刺激になるということがあるなら、そういうきっかけとしてなら、アーティスト個人の意識のどこかに置いて活性剤として利用すればいい。

アーティスト自発で、「プログレ」の括りのもと、ライヴァルと切磋琢磨することに、意味が無くはない。

 

 

ピンク・フロイドプログレじゃない、という見解をよく聞く。

この見解の提出者は、前提としてなにがしかのプログレ像を持ってる。定型に照らしてプログレ的じゃないということ。

そこは私も判る。でもプログレ的でないピンク・フロイドプログレ5大バンドに数え上げられていることが重要なのだ。

プログレという言葉が、生きて機能する、ダイナミズムのために。

 

定型に合致する「5大バンド」にしたいなら方法は簡単で、ピンク・フロイドの替りにジェントル・ジャイアントを入れればいい。

 

 

「しんかいはプログレの人なのにビートルズ詳しいよね」と言われて、違和感を覚えた。

というかそう言われて気付いた。私は、たぶん、プログレの一環としてビートルズ聴いてる。なのでわたし的にはビートルズとは Mr. Kite であり、Good Morning、Blue Jay Way、Strawberry Fields だ。

 

Flying という曲は、私のプログレ体験の原初の1つだ。

この曲、ブルーズの12小節なのに、その上に乗っかってる主メロは寧ろクラシック由来とも聴こえるダイアトニック。

まず主メロの気高さに恍惚となって、次いでバッキングに注意を向けて、ルーツ・ミュージックが基調となってることに気付く時、小6の純真はいったんがっかりして恍惚が半減するのだが、そここそが創意だし、プログレだ、と納得し、ひとつ自由になる。