(2015-09-25 記)
アメーバさんの新ロゴマークを見て真っ先に頭をよぎったセリフは、
「こんなのデザインじゃない!」
だった。
私はもちろん素人で、デザインについて明確な定義も理念も持たない。
その私が、正しくこの通りの言い回しで感想を持ったのはなぜか。
私は旧ロゴに、素人ながら「デザインとしての力」を認め、感心していた。
端的に言って、好きだった。
極限まで単純化・抽象化されて、一見してのインパクトがある。
しかもアメーバの具象なのもひと目で判る。
まったく素直に社名そのものの「アメーバ」キャラである。
かわいい。
目を引き付ける魅力があるし、これがこの会社のアイコンなのだと即座に認識できる。
キャラの可愛さが、会社のイメージを決める。
で、そここそがロゴマークの役目なんじゃないか、と素人の私は想像するのだが。
それらのポイントが、新ロゴで、悉く失われたと感じた、それがつまり「こんなのデザインじゃない!」という感想。
藤田氏とNIGO®氏が対談していくら尤もらしい御託を並べても、こんなのデザインじゃない。
メッセージが伝わってこない。もしくは存在しない。
ちまちましてる。
線が入り組んでるが、そのどこにも、決定的な造形が無い。
目に飛び込んでくるインパクトに繋がる造形が無い。
心を惹き付けるチャームが無い。
なぜクマ(イヌ?)、しかもかわいくないそれなのか?
これが実際にどの場でどう人の目に触れるか判った上でのデザインとも、到底思えない。
タグのアイコンとして小さなサイズで目に触れる時、このクマ(イヌ?)は、モニター画面に止まったハエかヨコバイに見える。
何と言ったらいいか、もうとにかくコンセプト的にも美的センス的にも、何をアピールしたいのか、どう機能させたいのか、全く見えて来ないので、ツッコむにツッコめなくて言葉に窮してるのだが、こんなものでっち上げられ提示されてそのまま受け入れて使っちゃう大人の事情って何なんだろう?
「慣れ」の問題もあるのだろうと、私の腑に落ちない思いを寝かせてみて、5か月以上が経った。
結局、マシに見え始めることは無かった。
2つ並んだ点を、ヒトはどうしても「眼」と認識してしまう。
環境中から敵の姿を逸早く識別するために、進化の過程で獲得した認識様式、みたいに聞いた覚えがある。
そしてこの認識様式は、アメーバ旧ロゴマークの中の2つ並んだ白ヌキの点に、「かわいい」を認識する。