(2015年7月27日、記)
1か月前の記事
の中で、件のミュージシャン氏がS君の曲に付けたタイトルは、確認したところ「アリスの散文的叙情」でした。「アリスの散文的情景」としてましたが訂正しました。
というわけでここで新たな問題が。「叙情」とは何か。
この際なのでキーワードの整理です。
音楽やその他の創作におけるわたし的最重要キーワードは「poetic」です。
これはS君と共有するところ、というかぶっちゃけ彼からの丸パクリです。
poetic とは。
密度。目覚ましさ。低エントロピー状態。メリハリ。瞬発力。
prosy(prosaic)はその逆。
この意味での「詩的 poetic」を最重要とする彼の曲を「散文的 prosy」呼ばわりしたことがとんちんかんだというのです。
この「詩的-散文的」の軸は判りやすい。
じゃあ「叙情的 lyrical」とは?
とくに音楽におけるそれとは?
よく判りません。
S君は非常にしばしば「叙情的」の評を貰うらしい。不快ではないが不可解だ、という。
てかぶっちゃけ私自身も彼の曲には叙情を色濃く感じる。
でも何を指して叙情と呼ぶのか、叙情的であることの条件は何か、くっきりと言い切れない。
多分言えることは、poetic は「意識」なんだ。
lyrical は「気質 temperament」に属するもので、出てしまうものはしょうがないけど、出そうと意識するものではない。
意識するところではないから褒め言葉として受け取れないし、彼が持って生まれたlyrical を私が企図して真似出来るものでもない。