クラシック

濃密な時間

アメーバの元アカで書いたブログ記事のことをふと思い出した。 バンマスがラヴェルの弦楽四重奏曲の SP 復刻 CD について言ってたことを承けてのもの。 オリジナル SP の発売日が楽章によって違うことに気付いた、と。データは録音〈年〉までしか判らないけ…

ジャック・メルシエ指揮イル・ド・フランス国立管弦楽団のドビュッシー『聖セバスティアンの殉教』

ジャック・メルシエ指揮イル・ド・フランス国立管弦楽団のドビュッシー『聖セバスティアンの殉教』を、10数年ぶりに聴き直した。 かつて私はこれをこの曲のベストの演奏として推す勢いだったけど、いろいろ考え直した。 (ディスクドライヴのエジェクトボタ…

ソースに当たって確認できたこと2つ

今日一日を、20個の段ボール箱にしまった本を全部取り出してまた詰め直す作業に費した。 数年前ここに引っ越してきて以来、開封しないままにしてた。いつでも夜逃げ出来るための準備として。 元々のつもりでは、そのままの状態で全部ブコフに引き取ってもら…

プリバウトゥキへのイラスト

ストラヴィンスキー『プリバウトゥキ(ロシア語:Прибаутки、フランス語:Pribaoutki)』の、楽しい動画があった。 イラストが楽しいのだけど、キリル文字なのでいろいろ判らない。作者も、既存のもの古いものを含むのだとしたら出典も、曲や詩内容との関係…

わくわく音名フォーマット

夢で、廊下に積もった桜の花びらの処理方法を問われ、思い付いたのが「同量の梅の花びらで中和する」だった。 さて。 Ⅰ 他人様の御ブログで、フォーマットを決めて、1記事につき1アルバムを、ジャンル万遍に紹介するものに遭遇すると、私にはとても出来ない…

夢の欠片・続

前回の記事で書いた、忘れた夢の断片を、今思い出した。 付点に関するやり取りのシーンだった。 今しがたの夢の中で、小山景子氏「春の丘」の歌メロ中の逆付点についてのシーンがあって、これをきっかけに思い出した。 で、思い出したシーン。 あるフレーズ…

エリーザベト・ホイナツカ

エリーザベト・ホイナツカ Élisabeth Chojnacka(1939年09月10日、ワルシャワ - 2017年05月28日、パリ)は、ポーランド出身のフランスのチェンバロ奏者。現代音楽を専門とする。 たいてい自分のチェンバロをやや電子変調して用いる。 60人以上の作曲家による…

ジョリヴェ:リノスの歌

アンドレ・ジョリヴェ(1905 - 1974):リノスの歌(1944) André Jolivet: Chant de Linos Pei-San Chiu(フルート)、Yuanyuan Wang(ヴァイオリン)、Tze-Ying Wu(ヴィオラ)、Cole Tutino(チェロ)、Joy Yeh(ハープ) 追記始め 今朝方、 Jasmine Choi…

かぶってる

I. 私の中で Cape Cod と Cabot Cove が、混同されないまでも、かぶってる。 Cape Cod はマサチューセッツ州にある半島。 武満徹の、3曲からなる "Toward The Sea" の第3曲のタイトルでもある。 cod は「鱈」。「化学的酸素要求量」ではなく。 Cabot Cove は…

ベルク:アルテンベルク歌曲集

ミュージアムショップにて。 美術展を観終わった♂と♀。♂が歩調を緩めることなく絵ハガキを6枚選んで会計に向かう。 ♀:(慌てて追い付きつつ)♂くん選ぶの速い! ♂:コンビニのお弁当選び並みに。 ♀:コンビニ弁当こそ時間掛けて選ぶでしょ。 ♂:君か、お弁…

ドビュッシー『ビリティスの歌 パントマイムと詩の朗読のための音楽』

とにかく気持ちの良い音楽を貼りたかった。 ドビュッシー『ビリティスの歌 パントマイムと詩の朗読のための音楽』 1900年作曲。 初演が、1901年、Salle des Fêtes du Journal*1 での、招待客による非公開の上演だったらしい。解説に「1901年」とあるのはこれ…

"Berceuses Des Fées Et Petites Sorcières"

昨年亡くなったある老婦人の遺品の整理をお手伝いするため、先月末から今月頭にかけて、岡山市にあるお宅に滞在した。 ご婦人の居間だったお部屋に、ささやかなオーディオシステムコンポがあった。 電源を入れてみると CD が入ったままだった。スタートさせ…

日記 2021年07月18日

「シェリーに口づけ」の「口」が空欄を示す四角の枠に見え、これを埋める大喜利だと思って「ど」と回答する。 0'44" からのベースがドミナント(D 中の a)始まりなのは、作曲者かベーシストかどっちの発案なんだろう? この音がこの曲のキャラを決定づけて…

続・ラヴェル

私の聴いたラヴェル演奏の中から、好きだったものを。 ・オーケストラ曲 私にとって「よい演奏」=「曲のことが判る演奏」。 ラヴェルのオーケストラ曲の演奏の聴き較べを、私は『スペイン狂詩曲』でやる習慣がある。 ブレーズは1970年代にニューヨーク・フ…

ラヴェル

「長3和音+短6度」の和音といえば、あからさまに判りやすい例があった。ラヴェル『夜のガスパール』第1曲「オンディーヌ」の冒頭。 アルヘリッチ1974年の録音で。 (0:00 ~ 0:10 はノンモンです。) この盤でのアルヘリッチの、磨かれきった鉱物質の音色と…

続・長3和音+短6度

この記事の続きです。 すぐに思い出さなかったのは全くの迂闊なんだけど、私がこのコードを最初に意識したのは、まさにドビュッシー『ペレアスとメリザンド』第3幕第1場の冒頭でだった。 00'15"、00'36"、01'21"、01'53"。 ここでは、B のコードへの付加が、…

武満徹 「マージナリア」

武満徹 「マージナリア」(1976年) 岩城宏之/東京都交響楽団 実家には、岩城宏之/東京都交響楽団が武満徹のオーケストラ曲3曲を収めたアナログ盤があった。 ウィンター(1971年) マージナリア(1976年) ジティマルヤ(1974年) 「ジティマルヤ」はマリ…

プロコフィエフ『束の間の幻影』

つべをたくさん貼ってるので重いです。すみません。 セルゲイ・プロコフィエフ (Sergei Sergeevich Prokofiev, 1891 - 1953) のピアノ曲集『束の間の幻影』 ("Visions Fugitives", Op. 22)。 1915~1917年作曲。短い20曲から成る。トータル約20分。 Michel B…

音楽を愛する

昔、ある方から伺った話(不正確な引用)。 TV で、自閉症の少年がピアノでバッハのメヌエットを弾くのを見た。2つのメヌエットが対になった、短調のほう。 メヌエットには絶対あり得ない極端に遅いテンポで、2声の重なりが4分音符または8分音符の長さ毎に交…

アメーバピグの音楽フロアで掛けた曲②

聴き方

この曲がどう聴こえてるのか、この人に聴こえてるとおりに聴いてみたい、と思わされる事態に、しばしば直面する。 いったい、この人にとって音楽を聴くとは、何をどう聴くことなのか? 案外、「曲を《モティーフ》処理として捉える」という聴き方は、一般的…

上浪渡氏

上浪渡(うえなみわたる)氏についての情報を、ウェブ上に全く見つけられずにいた。 私は氏を、FM放送をエアチェックしたカセットテープだけで存じ上げてる。そのお声はバッハ作曲、ヴェーベルン編曲「6声のリチェルカーレ」に乗って語りをお始めになる。 「…

都市伝説(吉松隆)

今日03月18日は吉松隆の誕生日だそうです。 以下、2017年の記事で書いて、2020年に追記した内容なのですが。 Wikipedia「朱鷺によせる哀歌」の項に 〈作曲家の紹介文献で「『朱鷺によせる哀歌』で尾高賞を受賞した」と記述されていることがあるが、事実では…

ドビュッシー:チェロ・ソナタ

ドビュッシーから1曲だけ選ぶと、私は(散々迷った挙句)チェロソナタになる。でもこれは作曲としてであって、チェリスト的に面白いかどうかは別問題なのかも知れない。なにしろこれは正確には「チェロとピアノのソナタ」なのだ。 https://t.co/MNi9u5sIJ8 —…

山本哲也(作曲家)

山本哲也:山羊の時間 Tetsuya Yamamoto : Temps de Chèvre*1 (2015) 指揮 阿部加奈子 演奏 Tokyo Ensemnable Factory (Fl 若林かをり/Cl 山根孝司/Perc 岩崎愛子/Acc 大田智美/Vlc 山澤慧) 2016-2-5 at Cultural Hall of Shibuya, Tokyo 山本哲也(19…

武満徹 'Dreamtime'(「夢の時」)

昨日02月20日は武満徹(1930年10月08日 - 1996年02月20日)の命日だった。 'Dreamtime'(1981年作曲)の、今つべで聴ける中で最も理想的な演奏は、これだと思う: 山田和樹/日本フィルハーモニー交響楽団、2017年05月14日。 私の聴きたいディテイルが、全部…

David Bedford "Star's End"

えっ…… ご存じ David Bedford "Star's End" の、日本盤です。本国 UK と同じ年1974年に出てます。 帯に堂々と「マイク・オールドフィールド」 の文字が。 ☆M・オールド・フィールドがロイヤルフィルと競演、D・ベッドフォードがアシモフの名作SF「銀河帝国の…

Maurice Ohana "Syllabaire Pour Phèdre"

モーリス・オアナ Maurice Ohana (1913-1992) の室内オペラ "Syllabaire Pour Phèdre"、1966-67年作曲。 マディ・メープル Mady Mesple (コロラトゥラ・ソプラノ) ジャクリーヌ・ダンジュ Jacqueline Danjou (パイドラ) ジャン・マレ Jean Marais (テセ…

The Slits、The Residents、Harry Partch

今さら改めて、The Slits "Cut" 面白い。 最初聴いた時、ダブっぽかったり、パンク曲でもウェル・メイドで線が細かったりで、がっかりして、最後まで聴き通さなかった。 という感想になったのは、こっちが私の The Slits のイメージだったから: 当時私はこ…

ブリテン『キャロルの祭典』

ブリテン『キャロルの祭典』Op.28、1943年作曲 Edward Benjamin Britten "A Ceremony Of Carols" Op.28 Sir David Willcocks 指揮 Choir Of King's College, Cambridge James Clark, Julian Godlee(トレブル・ソロ) Osian Ellis(ハープ) 1972年録音 再生…