春の歌 2/2

'It was a lover and his lass'

シェイクスピア「お気に召すまま」から。

 

Thomas Morley

Peter Pears のテナー、Julian Breamリュート

この演奏も清新:

演奏によって、第7音が ♯  なのと♮なのがあるのは、版の違いだろうか?

ピアーズのは、キーが G に対して第7音が♮の「f」。

 Voice Of Music のは、キーが E に対して第7音が ♯ の「dis」(一部「d」)。

 

 

この詩にはいろんな人が作曲してるのを知った。

 

0:11 Gerald Finzi

2:46 Roger Quilter

5:24 Ralph Vaughan Williams

歌い出しのメロが、Quilter と Vaughan Williams は明らかに Morley を下敷きにしてるのが面白い。

 

William Mathias

 

Matthew Harris

National Taiwan University Chorus による演奏が、テンポが速くて好ましい。

春の歌 1/2

ピーター・ピアーズ、ソニー・ロリンズとともに「3大テナー」に数えられる、イアン・ボストリッジの歌唱。

 

追記(2020年01月26日)始め

このブリテン『セレナード』が春に纏わる曲というわけではないです。

今年は01月25日が旧暦01月01日にあたることから、年始にあたって私個人が聴きたい「透き通った」音楽を、とまず思い当たったのがこれでした。

いっぽう、先日 Caprice について書いた時ブリテンに触れていました。それと、その記事の中で Caprice の 'Spring' という曲に言及しつつ、つべは貼りませんでした。

ブリテンを貼りつつ Caprice を連想し、'Spring' をここに貼り、「新春」と「春」とが符合して、今回の記事の流れが出来ました。

記事の題名「春の歌」は後付けです。『セレナード』を春の音楽と誤解させる書き方をしてしまいました。済みません。

追記終わり

 

Caprice "Song Of Innocence And Experience" から。

ブレイクの同じ詩に付けた曲には、これがある。

この PV の、いつもは CD の音にシンクロさせた動画を選ぶのだけど、今回は画質優先で。Old Grey Whistle Test に出演してたのですね。

 

メンデルスゾーン「春の歌」については思い出がある。ピアノ教則番組のワンシーン。生徒さんの演奏に続いて、先生の模範演奏。

私は、この曲を聴くのはこれが初めてだった。アルペジオの醸すロマンティシズムにうっとりした。「春」を感じた。

生徒さんの演奏は、アルペジオの響きがもこもこしてた。そこを先生が直した。

メンデルスゾーンなんだから、整理整頓して弾けばよい。過度にロマンティックになってはいけない。

なんだけど、生徒さんの演奏にあったうっとりの要素が、先生の演奏には無かった。

メンデルスゾーン演奏として正しくあることのために、逃してしまうもの。こっちも大事な音楽体験の筈なのだけど。

 

こっちの動画も楽しい。

鈴木さえ子

鈴木さえ子Freak In」、『スタジオ・ロマンチスト』(1987)所収。

タイトルはザッパ "Freak Out!" のもじりでしょうか。

 

私は鈴木さえ子では、

アメリカの Electricity Co.」(『I Wish It Could Be Christmas Everyday』所収)、

「Nightmare」(の前半)(『科学と神秘』所収)、

「ВИЙ」(『緑の法則』所収)、

が奥義と思ってるけど、前の2つは動画が見つからない。

と思ってたら!

これを発見:

鈴木さえ子★LIVE1985★AUDIO

FM東京(当時)系「ゴールデン・ライブ・ステージ」内で放送された、鈴木さえ子のLIVE」だそうです。

1985年は『緑の法則』リリースの年です。

曲目:

① 00:12 柔らかな季節

② 03:57 Come Wonder With Me

③ 08:13 ВИЙ

④ 13:48 Nightmare

⑤ 19:00 Good Morning

⑥ 23:42 鍵とスタンプ

⑦ 28:00 銀のエンゼル

⑧ 31:38 アメリカの Electricity Co.

⑨ 36:05 フィラデルフィア

上記3曲ともやってる!

選曲も、アレンジも、演奏も、ベスト。

鈴木さえ子の曲は、スタジオなればこその作り込み、という印象が強いけど、このライヴでは、ライヴ仕様というより、ぎゃくにスタジオ・ヴァージョンの世界を能うかぎり大事にしてるといってよい。ディテイルやニュアンスを疎かにしない。「ВИЙ」をライヴでやっちゃうんだ。

(⑤~⑦のポップ・ナンバーは私にはちょっときつい。)

スタジオ・ヴァージョンは、以下のアルバムに入ってます。

『I Wish It Could Be Christmas Everyday』(1983)⑧⑨

『科学と神秘』(1984)④⑥⑦

『緑の法則』(1985)①②③⑤